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センサの特性に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)水温センサは,サーミスタが受けた温度が低いときは抵抗値が大きく,温度が高くなるに従い抵抗値が小さくなる特性を持っており,吸気温センサと同様の構造・機能を持っている。 |
(2)バキューム・センサの圧力電圧特性は,インテーク・マニホールド圧力が大きくなるほど電圧値が高く,圧力が小さくなるほど低い電圧値になり,この変化はインテーク・マニホールドに発生している圧力に比例する。 |
(3)熱線式のエア・フロー・メータに用いられている発熱抵抗体は,温度が低いと電気抵抗値が小さく,温度が高いと抵抗値は大きくなる特性を用いて吸入空気流量を計測しているが,発熱抵抗体だけで空気流量を測定した場合,空気温度によって正確な空気量が計測できないので,これを改善するためにバイパス通路には温度補償抵抗体も設けられている。 |
(4)スロットル・ポジション・センサのアース端子とスロットル開度端子の抵抗値は,スロットル開度が全閉しているときは抵抗値が大きく,スロットル開度を開くにつれて抵抗値は減少し,抵抗の変化速度はスロットル・バルブの開閉速度に比例している。 |
解く
(1)水温センサは,サーミスタが受けた温度が低いときは抵抗値が大きく,温度が高くなるに従い抵抗値が小さくなる特性を持っており,吸気温センサと同様の構造・機能を持っている。 適切 |
サーミスタは,温度によって抵抗値が変わる性質をもち,この抵抗値の変化は温度変化に応答しているため,冷却水温度の変化を抵抗値の変化に置き換えて温度の検出を行うことができる。 温度に対する抵抗値の変化(温度抵抗特性)は,一般に温度が低いときは抵抗値が大きく,温度が高くなるに従い抵抗値が小さくなる負の温度特性をもつサーミスタが多く用 いられている。 |
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(2)バキューム・センサの圧力電圧特性は,インテーク・マニホールド圧力が大きくなるほど電圧値が高く,圧力が小さくなるほど低い電圧値になり,この変化はインテーク・マニホールドに発生している圧力に比例する。 適切 |
インテーク・マニホールド圧力が大きくなるほど電圧値が高く,圧力が小さくなるほど低い電圧値になる。
(3)熱線式のエア・フロー・メータに用いられている発熱抵抗体は,温度が低いと電気抵抗値が小さく,温度が高いと抵抗値は大きくなる特性を用いて吸入空気流量を計測しているが,発熱抵抗体だけで空気流量を測定した場合,空気温度によって正確な空気量が計測できないので,これを改善するためにバイパス通路には温度補償抵抗体も設けられている。 適切 エア・フロー・メータの発熱抵抗体は,温度が低いと抵抗値が小さく,温度が高いと抵抗値は大きくなる。 吸入空気量が少ない場合は,発熱抵抗体の放熱量が少なく,抵抗が大きいために回路の電流は少なく,逆に吸入空気量が多い場合は,発熱抵抗体の放熱が多く,抵抗が小さいために回路の電流は多くなる。 ECUは,この電気信号による電流の変化を電圧の変化に置き換えて吸入空気量信号として検出している。
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(4)スロットル・ポジション・センサのアース端子とスロットル開度端子の抵抗値は,スロットル開度が全閉しているときは抵抗値が大きく,スロットル開度を開くにつれて抵抗値は減少し,抵抗の変化速度はスロットル・バルブの開閉速度に比例している。 |
不適切
スロットル・ポジション・センサ(ポテンショ・メータ式)は,スロットル・バルブの開度を検出するセンサで、スロットル・ボデー本体に組み付けられている。構造は,可変抵抗器で,抵抗体上をしゅう動する可動接点をもっており,可動接点はスロットル・バルブ・シャフトに連結されてスロットル・バルブの開閉と共に抵抗体上を移動する。
可動接点が抵抗体上を移動することで,信号アース端子とスロットル開度端子間の抵抗値が変化するため,スロットル開度に応じて抵抗値が変化し,スロットル開度が全閉のときは抵抗値が小さく,開度が全開のときは抵抗値が増加する。
よって答えは(4)