自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

平成19年11月実施検定1級小型問題35:スロットル・バルブの信号電圧。点検結果から考えられる不具合原因

35

図に示す回路において,点検結果から考えられる不具合原因として,適切なものは次のうちどれか。ただし,正常時のスロットル・バルブの信号電圧は,スロットル・バルブ全閉時0.5V,全開時4Vとする。

(1)スロットル・ポジション・センサ内部短絡

(2)センサ電源線とセンサ信号線との短絡

(3)AT・ECUの内部短絡

(4)センサ信号線とセンサ・アース線との短絡

 

解く

条件より

(1)スロットル・ポジション・センサ内部短絡

不適切

(2)センサ電源線とセンサ信号線との短絡

不適切

(3)AT・ECUの内部短絡

不適切

(4)センサ信号線とセンサ・アース線との短絡

適切

よって答えは4

 

 

 

 

 

平成19年11月実施検定1級小型問題34:EPS故障診断

34

EPSに関する次の文章の(イ)~(ハ)にあてはまる語句の組み合わせとして,適切なものは次のうちどれか。

 

 

『アシスト・モータ出力制限制御は,極端に連続して据え切りを行った場合などに,アシスト・モータの出力を制限し,(イ)から(ロ)を保護する制御である。この制御が行われた場合,警告灯は(ハ)。そのため,「操舵力が重い」という不具合を故障探求する場合は,発生条件を十分問診する必要がある。』

 

 

(1)(イ)異常加熱 (ロ)アシスト・モータ (ハ)点灯する

(2)(イ)異常加熱 (ロ)システム     (ハ)点灯しない

(3)(イ)異常電圧 (ロ)アシスト・モータ (ハ)点灯しない

(4)(イ)異常電圧 (ロ)システム     (ハ)点灯する

 

解く

 

『アシスト・モータ出力制限制御は,極端に連続して据え切りを行った場合などに,アシスト・モータの出力を制限し,(イ異常加熱)から(ロシステム)を保護する制御である。この制御が行われた場合,警告灯は(ハ点灯しない)。そのため,「操舵力が重い」という不具合を故障探求する場合は,発生条件を十分問診する必要がある。』

 

 

よって答えは2

(2)(イ)異常加熱 (ロ)システム     (ハ)点灯しない

 

モータ出力制限制御

モータ出力制限制御は,連続した大電流での発熱からシステムを保護する制御である。

据え切り連続などのステアリング操舵を極端に繰り返したときは,モータ電流を低下させ,システムを保護している。

この制御が行われると,補助動力が徐々に低下する。補助動力の復帰は,操舵トルクがゼロ又は,イグニション・スイッチOFFから徐々に始まり,通常の補助動力に戻るのは最長で8分程度必要とする。

 

補助動力の制限

据え切り操作を極端に連続して行うようなときには,モータ電力が増大してECUが発熱し、システムに悪影響を及ほすことが予想できる。このため,モータ電流を監視しており,発熱状態のときは,補助動力を徐々に低下させてシステムの保護を行っている(モータ出力制限制御)。このとき,EPS警告灯は点灯しない。なお,復帰には最長で8分程度を必要とするので考慮する。

 

 

平成19年11月実施検定1級小型問題33:外部診断器で診断した結果,吸気温センサ系統に異常

33

外部診断器で診断した結果,吸気温センサ系統に異常があり,吸入空気温度が140℃と表示された。エンジンECUの吸気温信号入力部で回路をオープンにしたところ-40℃に変化した。この場合の考えられる原因として,適切なものは次のうちどれか。

(1)吸気温センサ不良

(2)吸気温センサの信号線の断線

(3)エンジンECU不良

(4)吸気温センサのアース線の断線

 

解く

(1)吸気温センサ不良

適切

(2)吸気温センサの信号線の断線

不適切

(3)エンジンECU不良

不適切

(4)吸気温センサのアース線の断線

不適切

よって答えは1

 

 

 

平成19年11月実施検定1級小型問題32:「エンジンの始動性が悪い。」という自動車について

32

「エンジンの始動性が悪い。」という自動車について,表の車両諸元,現象確認結果及び点検結果から判断される推定原因として,適切なものは次のうちどれか。

(1)燃料ポンプ不良

(2)インジェクタ不良

(3)エア・フロー・メータ不良

(4)プレッシャ・レギュレータ不良

 

解く

 

(1)燃料ポンプ不良:燃圧は発生している。

(2)インジェクタ不良

(3)エア・フロー・メータ不良:ダイアグ出るはず。そもそもデータが表にない。

(4)プレッシャ・レギュレータ不良:始動直後、クランキング時の燃圧は正常である

 

(2)インジェクタ不良:

エンジン停止時のインジェクタから燃料が後ダレしている。     

30分後の燃焼室の混合気が濃すぎる(空燃比が小さすぎる)。

            

冷間時(23日後)は燃料がすべて気化して燃焼室から無くなっているから、始動性はよい。

            

始動直後の空燃比には影響はない。

 

よって答えは2

 

 

 

 

 

 

 

 

平成19年11月実施検定1級小型問題31:ビート音発生の要因

31

4気筒ガソリン・エンジン搭載の後輪駆動車(FR式)が表の条件で走行したとき,40~45Hzの間でビート音が発生した。ビート音発生の要因として,適切なものは次のうちどれか。

(1)「プロペラ・シャフトのユニバーサル・ジョイントの位相ずれ」と「エンジンのトルク変動」

(2)「プロペラ・シャフトのアンバランス」と「エンジンのトルク変動」

(3)「電動ファンのアンバランス」と「プロペラ・シャフトのユニバーサル・ジョイントの位相ずれ」

(4)「電動ファンのアンバランス」と「エンジン回転変動(一次成分)」

 

解く

 

90÷3.6÷(0.6×3.14)=13.26Hz:タイヤ1次振動

13.26×453.04Hz:「プロペラ・シャフトのアンバランス」

53.04×2106.08Hz:「プロペラ・シャフトのユニバーサル・ジョイントの位相ずれ」

53.04×0.842.32Hz:「エンジン回転変動(一次成分)」

42.32×284.864Hz:「エンジンのトルク変動」

2700÷6045Hz:「電動ファンのアンバランス」

 

よって答えは4

 

 

 

 

平成19年11月実施検定1級小型問題30:ABSに関する記述

30

ABSに関する記述として,不通切なものは次のうちどれか。

 

(1)車輪速度が推定(疑似)車体速度より急激に下がると,ブレーキ液圧を保持する。さらに,車輪速度が低下すると,ブレーキ液圧を減圧する。

(2)後輪のブレーキ液圧は,ロックしやすい車輪速度の方を基準として制御される。

(3)ABSは,車輪速センサの直接情報である車輪速度から演算される推定(疑似)車体速度を目標に制御される。

(4)スリップ率が100%とはタイヤが完全にロックしている状態である。また,スリップ率が大きくなるほどタイヤのコーナリング・フォースは小さくなる。

 

解く

(1)車輪速度が推定(疑似)車体速度より急激に下がると,ブレーキ液圧を保持する。さらに,車輪速度が低下すると,ブレーキ液圧を減圧する。

適切

ABS制御

ECUは,図に示すように各車輪速センサからの信号によって車輪速度を検知し,すべての車輪速度をもとに車体速度を推定する。推定(又は疑似)車体速度をもとに車輪のスリップ率を計算し,目標スリップ率になるように,モジュレータ・ユニットのモジュレータ・バルプとポンプを作動させ,プレーキ液圧を制御する。前輪のプレーキ液圧は,左右独立に制御し,後輪はロックしやすい方(車輪速度が低い:ロー・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

車輪速度が推定(又は疑似)車体速度より急激に下がると(①),図のようにインレット・バルブは閉じ,ブレーキ圧を保持する。さらに,車輪速度が低下すると(②),アウトレット・バルブは一瞬開き,ブレーキ圧を減圧する。このとき,ポンプ・モータは作動を始める。車輪速度が回復してくると(③),インレット・バルブを一瞬開き,ブレーキ圧を増圧する。この作動を素早く繰り返し,ABS制御を行っている。

(2)後輪のブレーキ液圧は,ロックしやすい車輪速度の方を基準として制御される。

適切

(3)ABSは,車輪速センサの直接情報である車輪速度から演算される推定(疑似)車体速度を目標に制御される。

不適切

目標スリップ率

(4)スリップ率が100%とはタイヤが完全にロックしている状態である。また,スリップ率が大きくなるほどタイヤのコーナリング・フォースは小さくなる。

適切

タイヤの摩擦係数の変化

前述した制動距離の式でも分かるように、制動力か大きければ、制動距離はこれに反比例して短縮され

る。しかし、制動力はタイヤと路面の間の摩擦力として伝達されるため限度がある。

摩擦係数をμ(ミュー)、ホイールに掛かる質量をMで表すと、制動力はμMg(注1参照)より大きくすることはできない。

ブレーキを掛けると、ホイールは路面を滑りながら転かるようになり、制動力が小さいときは滑りは少ないが、制動力が増すに連れて滑りが大きくなっていく。乾燥した舗装路面における摩擦係数とスリップ率(注2参照)との間には、図のような関係があり、摩擦係数はスリップ率が20%前後のときに最大となるが、それ以降はスリップ率が増すに伴い低下し、ホイールか完全にロックした状態では、スリップ率は100%になる

よって答えは3

 

 

 

 

 

 

 

平成19年11月実施検定1級小型問題29:EPSに関する記述

29

EPSに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)イナーシャ制御は,車速及びステアリング操舵速度により行っており,ステアリング操作の減速時に,モータの回転による逆起電力によって発生する電流増加を制御している。

(2)EPS・ECUは,異常を検知したときにも,可能な限り制御を続行する。ただし,EPSが制御を正しく実行できなくなる場合は,制御を停止(フェイルセーフ)する。

(3)ダンピング制御は,ステアリング・ホイールに伝わる小刻みな振動を低減させるための制御である。

(4)アンローダ制御は,ステアリングを一杯に切った状態にしたときのモータ電流を低下させ,システムを保護するための制御である。

 

解く

(1)イナーシャ制御は,車速及びステアリング操舵速度により行っており,ステアリング操作の減速時に,モータの回転による逆起電力によって発生する電流増加を制御している。

不適切

(2)EPS・ECUは,異常を検知したときにも,可能な限り制御を続行する。ただし,EPSが制御を正しく実行できなくなる場合は,制御を停止(フェイルセーフ)する。

適切

フェイルセーフ制御

フエイルセーフ制御は,故障などによりEPSに異常が発生したとき,可能な限り制御を行う。EPSが制御を正しく実行できなくなる場合は,安全上の配慮からフェイルセーフとして制御を停止し,補助動力無しのステアリングにするものである。

車載故障診断装置による診断には,システムの電源,各センサ,計算結果,出力電流に対してイグニション・スイッチをONにしたときに行う初期診断と,システム作動中,常に行う常時診断とがある。

異常があれば,警告灯を点灯させ,フェイルセーフ制御により,故障内容によって補助動力の暫定継続,減少,停止を行う。

車載故障診断装置による診断には,警告灯の故障点灯表示,ダイアグノーシス・コードの表示機能も持っている。

正常に回復したときのシステムの復帰も,

回復次第直ちに復帰,

イグニション・スイッチのON・OFFで復帰,

ダイアグノーシス・コードの消去後に復帰の3種類があり,ステアリング操作に対する影響度を考慮して設定されている。

 

 

(3)ダンピング制御は,ステアリング・ホイールに伝わる小刻みな振動を低減させるための制御である。

適切

(4)アンローダ制御は,ステアリングを一杯に切った状態にしたときのモータ電流を低下させ,システムを保護するための制御である。

適切

 

 

よって答えは2

 

 

基本制御

1.べース制御

べース制御は,モータを駆動する基本になる,べース電流の制御である。

べース電流は,操舵トルクと車速により算出しており,操舵力を決定するものである。車速によってモータ・トルク特性を切り替えることにより,路面反力の伝わり方や力の立ち上がりなどの感覚も制御している。

2.イナーシャ制御

イナーシャ制御は,モータの回転速度により変化する慣性力を制御するものである。

操舵トルク,車速及びステアリング操舵速度により行っており,べース電流をステアリング操作の増速時には増加させ,減速時には減少させることで,モータが持つ回転体の慣性により,起動時にはトルクが不足し,停止時にはトルクが継続する影響を低減させている。

3.ダンピング制御

ダンピング制御は,ステアリング・ホイールに伝わる小刻みな振動を低減させるための制御である。

操舵トルク,車速及びモータ速度により行っており,モータの回転速度に応じてステアリング操作の増速時に減算し,減速時で加算して補助動力特性に制動を与えている。低車速では,もどり特性を良くするためにダンピングを抑えている。

 

補正制御

1.もどり制御

もどり制御は,ステアリング操作の減速時に,逆起電力により発生する電流増加を制御するものである。

この制御は,モータ速度と車速により行っており,操舵速度が減速したときに,モータの回転による逆起電力によって発生する回生電流が流れてモータ電流が多くなるため,モータの回転速度に応じて,回生電流を制御し,電流フィードバック制御の精度を向上させている。

2.電流フィードバック制御

電流フィードバック制御は,モータに流れる電流を検出し,モータを駆動する口標電流との差を減少させて,モータを精度良く駆動するための制御である。

 

保護制御

1.アンローダ制御

アンローダ制御は,ステアリングを一杯に切った状態にしたときのモータ電流を低下させ,システムを保護するための制御である。

2.モータ出力制限制御

モータ出力制限制御は,連続した大電流での発熱からシステムを保護する制御である。

据え切り連続などのステアリング操舵を極端に繰り返したときは,モータ電流を低下させ,システムを保護している。

この制御が行われると,補助動力が徐々に低下する。補助動力の復帰は,操舵トルクがゼロ又は,イグニション・スイッチOFFから徐々に始まり,通常の補助動力に戻るのは最長で8分程度必要とする。