自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

令和6年3月実施1級小型問題5:電子制御式スロットル装置を用いた筒内噴射式ガソリン・エンジン

5

電子制御式スロットル装置を用いた筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)インジェクタには,高電圧大電流に対応した低抵抗コイルが内蔵されており,作動確認などでバッテリ電圧を直接印加するとコイルが溶損するため,インジェクタにバッテリ電圧を直接掛けてはならない。

 

(2)アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系統になっており,また,異常を検出したときは,退避走行が可能となる程度に吸入空気の流量を制御している。

 

(3)リーンNOX触媒のうち選択還元型のものは,リーン(希薄)燃焼時には,NOX吸蔵物質にNOXを蓄えておき,理論空燃比運転時に一時的に空燃比を濃くし,排出ガス中のCO,HC等を利用してNOXを還元する。

 

(4)低速トルク向上制御では,吸入行程と圧縮行程の2回で燃料を噴射して燃焼(1回目の噴射は自己着火しない程度のリーンな混合で,2回目の噴射と合わせた空燃比は15~23程度)させている。

 

 

 

解く

 

(1)インジェクタには,高電圧大電流に対応した低抵抗コイルが内蔵されており,作動確認などでバッテリ電圧を直接印加するとコイルが溶損するため,インジェクタにバッテリ電圧を直接掛けてはならない。

適切

インジェクタ

高電圧大電流に対応した低抵抗コイルを内蔵しており,作動確認などでバッテリ電圧を直接印加するとコイルが溶損するため,絶対にバッテリ電圧を直接掛けてはならない。

燃料配管も含め,再使用が禁止されている場合があるので注意する必要がある。

 

(2)アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系統になっており,また,異常を検出したときは,退避走行が可能となる程度に吸入空気の流量を制御している。

適切

電子制御式ス口ットル装置

 筒内噴射式ガソリン・エンジンでは,エンジン負荷に応じて燃焼方式を切り替えている。そのため,同一吸入空気量で燃焼方式を切り替えると,発生トルクに差が生じてスムーズな切り替えができない。また,従来のアクセル・ペダル連動式のスロットル・バルブでは,アクセル開度とバルブ開度の関係が固定されているため,燃焼方式切り替え時には,大容量のバイパス回路が必要となる。

そこで,多くの筒内噴射式ガソリン・エンジンでは,アクセル・ペダルの踏み込み量に応じて,適切なエンジン・トルクを得られるように,図 のような電子制御式スロットル装置を採用している。

これは,アクセル・ペダルの動きをセンサで検出し,その出力をべースにエンジン・エレクトロニック・コントロール・ユニット(以下,エンジン ECU という。)がスロットル・エレクトロニック・コントロール・ユニット(以下,スロットル ECU という。) を介してモータを駆動し,スロットル・バルブを最適な開度となるように制御するもので,エンジン負荷に応じた各燃焼方式で必要とされる空気量を,運転者に違和感を与えることなく供給するようになっている。

また,万一の故障時にも対応できるように,アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系にすると共に,異常を検出したときには,退避走行が可能となる程度に吸入空気の流量を制御している。

 

(3)リーンNOX触媒のうち選択還元型のものは,リーン(希薄)燃焼時には,NOX吸蔵物質にNOXを蓄えておき,理論空燃比運転時に一時的に空燃比を濃くし,排出ガス中のCO,HC等を利用してNOXを還元する。

不適切

トラップ型

リーンNOx触媒の種類と特徴

 

選択還元型

トラップ型

原理

リーン(希薄)燃焼時に活性層で図3-35のようにHCを使用してNOxを還元する

リーン(希薄)燃焼時には、図3-36のようにNOxを吸蔵物質に蓄えておき、理論空燃比運転時に濃くし、排出ガス中のCO、HC等を利用してNOxを還元する。

長所

定常的な浄化が可能。ガソリン中に硫黄分が含まれていても浄化性能への影響は少ない。

NOxの浄化率が高い。

短所

還元にHCを使用するため、上流に三元触媒を設置できない。このため、三元触媒の活性化に時間が必要。

ガソリン中に硫黄分が含まれていると急速に劣化する。NOx還元時は空燃比を濃くする必要あり。

短所を補う制御

触媒早期活性化制御により、燃焼(膨張)工程での燃料噴射を行なうと共に排気滞留時間が長いのマニホールドを採用することで、短時間での三元触媒活性化を行なう。

電子制御スロットル・バルブにより、吸入空気量を絞って一時的に空燃比を濃くし、還元時の燃料消費を最小化する。

 

(4)低速トルク向上制御では,吸入行程と圧縮行程の2回で燃料を噴射して燃焼(1回目の噴射は自己着火しない程度のリーンな混合で,2回目の噴射と合わせた空燃比は15~23程度)させている。

適切

 

その他の特殊な燃料噴射制御

筒内噴射式ガソリン・エンジンでは,混合気形成の自由度が高いため,次のような燃料噴射制御も目的に応じて採用されている。

低速トルク向上制御

低速トルクを向上させるために,図左のように燃料を吸入行程と圧縮行程で2回に分けて噴射して燃焼(空燃比:合計で15~23程度)させている。

1回目の吸入行程での噴射では,自己着火しない程度のリーンな混合となるようにし,次に圧縮行程で残りの燃料を噴射する。

圧縮行程中に噴射された燃料は,自己着火(ノッキング)が発生する前に火炎伝播により燃焼するため,耐ノッキング性が向上し,図右のように点火時期の進角が可能となり,また低速トルクの大幅な向上が行われている。

よって答えは3

 

 

令和6年3月実施1級小型問題4:正弦波電圧の実効値

4

図に示す両波高値が14.18Vを示す正弦波電圧の実効値を計算で求めた値として,適切なものは次のうちどれか。

(1)約2.363V

(2)約3.545V

(3)約4.093V

(4)約5.013V

 

 

解く

正弦波の場合

よって答えは4

 

参考

 

 

 

 

 

平成20年11月実施検定1級小型問題50改:特定整備主任者

50 改

道路運送車両法」及び「道路運送車両法施行規則」に照らし,原動機を対象とする特定整備事業場において,特定整備主任者に選任できる自動車整備士の種類として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)一級小型自動車整備士

(2)二級ガソリン自動車整備士

(3)二級自動車シャシ整備士

(4)一級二輪自動車整備士

 

解く

電子制御装置整備を行う事業場の整備主任者の資格要件として、1級二輪自動車整備士、2級自動車整備士、車体整備士及び電気装置整備士の方を選任する場合は選任前に講習を受講する必要があります。

(1級自動車整備士(二輪を除く)の方は、受講不要で整備主任者に選任できます。)

講習は、学科、実習及び試問で構成されており、学科と実習を受講後に試問に合格する必要があります。

 

よって答えは1

平成20年11月実施検定1級小型問題49:自動車に備えることができる点滅する灯火又は光度が増減する灯火

49

道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし,自動車に備えることができる点滅する灯火又は光度が増減する灯火として,適切なものは次のうちどれか。

 

 

(1)曲線道路用配光可変型前照灯

(2)後部霧灯

(3)側方照射灯

(4)後部上側端灯

 

解く

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」218

6 自動車には、次に掲げる灯火を除き、点滅する灯火又は光度が増減する灯火(色度が変化することにより視感度が変化する灯火を含む )を備えてはならない。 。

一 曲線道路用配光可変型前照灯

二 配光可変型前照灯

三 側方灯

四 方向指示器

五 補助方向指示器

非常点滅表示灯

七 緊急制動表示灯

緊急自動車の警光灯

九 道路維持作業用自動車の灯火

十 自主防犯活動用自動車の青色防犯灯

十一 一般乗合旅客自動車運送事業用自動車の行先等を連続表示する電光表示器

十二 非常灯(旅客自動車運送事業用自動車に備えるもの又は室内照明灯と兼用するも

のに限る )。

十三 労働安全衛生法施行令(昭和 年政令第 号)第1条第1項第8号に規定す 47 318

移動式クレーンに備える過負荷防止装置と連動する灯火

十四 点滅又は光度の増減を手動によってのみ行うことができる構造を有する灯火

十五 指定自動車等に備えられたものと同一の構造を有し、かつ、同一の位置に備えら

れた可変光度制御機能を有する灯火及び光度可変型前部霧灯

十六 法第 条の2第1項の規定に基づき指定を受けた灯火又はこれに準ずる性能を 75

有する可変光度制御機能を有する灯火及び光度可変型前部霧灯

 

よって答えは1

 

平成20年11月実施検定1級小型問題48:近接排気騒音

48

 

道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし,平成17年11月に製作された専ら乗用の用に供する乗車定員8人の普通自動車の近接排気騒音に関する次の文章の(イ)及び(ロ)にあてはまる語句の組み合わせとして,適切なものは次のうちどれか。

 

「車両の前部に原動機を有するものの近接排気騒音の大きさは,(イ)dB以下でなければならない。また,車両の後部に原動機を有するものの近接排気騒音の大きさは,(ロ)dB以下でなければならない。」

 

 

(1)(イ)96   (ロ)102

(2)(イ)96   (ロ)100

(3)(イ)98   (ロ)102

(4)(イ)98   (ロ)100

 

 

解く

 

「車両の前部に原動機を有するものの近接排気騒音の大きさは,(イ96)dB以下でなければならない。また,車両の後部に原動機を有するものの近接排気騒音の大きさは,(ロ100)dB以下でなければならない。」

 

 

よって答えは2

 

参考

次の表の自動車の種別の欄に掲げる自動車(排気管を有しない自動車及び排気管を有する自動車であって停止状態において原動機が作動しないものを除く。)は、別添38「近接排気騒音の測定方法」に定める方法により測定した近接排気騒音をdBで表した値がそれぞれ次の表の騒音の大きさの欄に掲げる値を超える騒音を発しない構造であること。

 

 

 

 

令和6年3月実施1級小型問題3:ボルテージ・ドライブ式フューエル・インジェクタ(外部レジスタ付)回路の点検

3

図1に示すボルテージ・ドライブ式フューエル・インジェクタ(外部レジスタ付)回路の点検に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

ただし,図2に示す測定波形は正常なエンジン回転中のものであり,オシロスコープのTIME/DIVは1msとする。

(1)図2の測定波形から,このインジェクタが実際に燃料を噴射している時間は,2.8msであると考えられる。

 

(2)駆動時,V1は12Vからレジスタでの電圧降下分だけ低くなるが,0Vの場合は,ドライブ・リレーを経由する12V電源線の異常(断線,短絡(地絡))が考えられる。

 

(3)駆動時,V2が図2のインジェクタ駆動電圧特性から外れる場合は,インジェクタのコイルの抵抗値を測定し,この値が正常であれば,アクチュエータ電源線(外部抵抗も含む)の異常が考えられる。

 

(4)駆動停止時のⅤ3に12Vが発生しない場合,エンジンECU本体の異常が考えられる。

 

解く

 

(1)図2の測定波形から,このインジェクタが実際に燃料を噴射している時間は,2.8msであると考えられる。

不適切

1.2㎳くらい

(2)駆動時,V1は12Vからレジスタでの電圧降下分だけ低くなるが,0Vの場合は,ドライブ・リレーを経由する12V電源線の異常(断線,短絡(地絡))が考えられる。

適切


(3)駆動時,V2が図2のインジェクタ駆動電圧特性から外れる場合は,インジェクタのコイルの抵抗値を測定し,この値が正常であれば,アクチュエータ電源線(外部抵抗も含む)の異常が考えられる。

適切

推定される不具合の一つ

駆動時(アイドリング時)の点検

1V2の駆動電圧は,図2に示す電圧特性であること。駆動電圧特性から外れる場合は,アクチュエータの抵抗値などを測定し,アクチュエータが正常であれば,ECU本体の異常,アクチュエータ電源線及び駆動信号線の異常(断線,短絡,接触抵抗などの増大)が推測できる。

 

(4)駆動停止時のⅤ3に12Vが発生しない場合,エンジンECU本体の異常が考えられる。

適切

よって答えは1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

令和6年3月実施1級小型問題2:オシロスコープの基本知識

2

オシロスコープの基本知識に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)V MODE(バーチカル・モード)とは,同期信号切り替えのことで,トリガに使用する信号の選択をする。SOURCE(トリガ・ソース)とは,波形表示切り替えのことで,使用するチャンネルの状態を選択する。

 

(2)掃引モードのAUTO(オート)とは,自動掃引のことで,同期レベルが外れているときや,無信号時でも掃引して,アース(0Ⅴ)が確認できるモードであり,入力信号周波数が50Hz以下のときに使用する。NORM(ノーマル)とは,手動掃引のことで,同期が掛かったときのみ掃引するモードであり,入力信号周波数50Hz以下では同期不可となる。

 

(3)AC(エーシー・カップリング)とは,交流結合のことで,同期信号の直流から交流成分まで同期を掛けることができる。

 

(4)H POS(ホリゾンタル・ポジション)とは,水平位置のことで,波形を水平方向に移動する。FINE(ファイン)とは,水平位置を微少移動することである。

 

 

解く

 

(1)V MODE(バーチカル・モード)とは,同期信号切り替えのことで,トリガに使用する信号の選択をする。SOURCE(トリガ・ソース)とは,波形表示切り替えのことで,使用するチャンネルの状態を選択する。

不適切

SOURCE(トリガ・ソース)とは,同期信号切り替えのことで,トリガに使用する信号の選択をする。V MODE(バーチカル・モード)とは,波形表示切り替えのことで,使用するチャンネルの状態を選択する。

 

 

(2)掃引モードのAUTO(オート)とは,自動掃引のことで,同期レベルが外れているときや,無信号時でも掃引して,アース(0Ⅴ)が確認できるモードであり,入力信号周波数が50Hz以下のときに使用する。NORM(ノーマル)とは,手動掃引のことで,同期が掛かったときのみ掃引するモードであり,入力信号周波数50Hz以下では同期不可となる。

不適切

AUTO:オート

自動掃引のこと,同期レべルが外れているときや,無信号時でも掃引して,アース (OV)が確認できるモード。入力信号周波数50Hz以下では同期不可。

NORM:ノーマル

手動掃引のこと,同期が掛かったときのみ掃引するモード。入力信号周波数は50Hz以下のときに使用する。

 

(3)AC(エーシー・カップリング)とは,交流結合のことで,同期信号の直流から交流成分まで同期を掛けることができる。

不適切

AC:エーシー・カップリング

交流結合のこと,同期信号の直流信号をカットして,交流信号のみで同期を掛けることができる。

 

(4)H POS(ホリゾンタル・ポジション)とは,水平位置のことで,波形を水平方向に移動する。FINE(ファイン)とは,水平位置を微少移動することである。

適切

 

よって答えは4

 

参考

オシロスコープに関係する主な略語の読み方と意味

 

基本用語

意味

感度

表示画面において,1目盛り当たりを表示するのに必要な電圧をいう。

掃引

画面の左から右に輝線(波形)を描くことをいう。

掃引時間

同期

表示画面において,1目盛りを波形が移動する時間をいう。

表示画面が静止するように掃引を制御することをいう。

略語の読み方

意味

VOLTS/Div:ボルト・パー・デビジョン

電圧/目盛のこと,垂直軸の一目盛あたりの電圧の単位。

SEC/Div:セコンド・パー・デビジョン

時間/目盛のこと,水平軸の一目盛あたりの時間の単位。

V MODE:バーチカル・モード

波形表示切り替えのこと,使用するチャンネルの状態を選択する。

SWEEP MODE:スイープ・モード

掃引切り替えのこと,掃引の方式を選択する。

SLOPE:スロープ

傾斜切り替えのこと,同期を掛ける傾斜の方向を選択する。

TRIG:トリガ・レべル

掃引を開始(同期を開始する)するトリガ信号の垂直軸のレべルのこと。

DATA POS:データ・ポジション

水平軸の同期位置のこと。

SOURCE:トリガ・ソース

同期信号切り替えのこと,トリガに使用する信号の選択をする。

H POS:ホリゾンタル・ポジション

水平位置のこと,波形を水平方向に移動する。

SCRL:スクロール

波形データの一部を表示する場合に表示部分を移動して表示すること。

FINE:ファイン

水平位置を微少移動すること。

<垂直軸モード(波形表示切り替え)>

 

CH1:チャンネル・ワン

CH 1に入力した信号を観測するモード。

CH2:チャンネル・ツウ

CH 2に入力した信号を観測するモード。

DUAL:デュアル・モード

CH 1とCH 2に入力した信号を観測するモード。

<掃引モード>

 

AUTO:オート

自動掃引のこと,同期レべルが外れているときや,無信号時でも掃引して,アース (OV)が確認できるモード。入力信号周波数50Hz以下では同期不可。

NORM:ノーマル

手動掃引のこと,同期が掛かったときのみ掃引するモード。入力信号周波数は50Hz以下のときに使用する。

<同期信号源>

 

 CH1

チャンネル1の信号で同期を掛けること。

 CH2

チャンネル2の信号で同期を掛けること。

EXT:エクスターナル

外部同期のこと,外部の信号で同期を掛けること。

<同期結合>

 

DC:デーシー・カップリング

直流結合のこと,同期信号の直流から交流成分まで同期を掛けること

AC:エーシー・カップリング

交流結合のこと,同期信号の直流信号をカットして,交流信号のみで同期を掛けることができる。

<その他>

 

RUN:ラン

波形取り込み可能な状態。

STOP:ストップ

波形保持状態(トリガが来ても波形を取り込まない状態)。

ROLL:ロール・モード

波形データを表示する場合,画面に新しいデータを次から次に表示し,その前のデータを送りながら,連続的に波形を表示するモードをいう。ロール・モードにするには, 同期メニュー・キーを選択して設定する。