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平成17年3月実施1級小型問題15:コモン・レール式高圧燃料噴射システムにおけるエンジンECUの制御に関する記述

15

コモン・レール式高圧燃料噴射システムにおけるエンジンECUの制御に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)各センサからの信号をもとに最適な噴射量及び噴射時期を計算し,サプライ・ポンプのインナ・カム機構を介して,インジェクタヘの通電時間及び通電時期を制御している。

(2)エンジン回転速度や負荷が変化しても噴射圧力が変動しないように,コモン・レール内の燃料圧力を常時一定に保つように制御している。

(3)パイロット噴射制御を行っているときは,膨張行程でメイン噴射の噴射信号を出している。

(4)吸入空気温度が低いとき及び冷却水温が低いときは,噴射量を減量補正する。

 

解く

(1)各センサからの信号をもとに最適な噴射量及び噴射時期を計算し,サプライ・ポンプのインナ・カム機構を介して,インジェクタヘの通電時間及び通電時期を制御している。

不適切

燃料噴射制御

コモン・レール式高圧燃料噴射システムでは,図のように各センサからの信号をもとに,エンジン ECU が必要な計算を行い, EDU を介して,インジェクタの電磁制御弁に信号を送り,インジェクタへの通電時間及び通電時期を制御することにより,最適な噴射量及び噴射時期にしている。コモン・レール式高圧燃料噴射システムには,エンジンの運転状態に応じて噴射圧力を制御したり,噴射を 2 段階に分けるなどコモン・レール式高圧燃料噴射システム特有の制御があるため,ここではそれらの内容について説明する。

(2)エンジン回転速度や負荷が変化しても噴射圧力が変動しないように,コモン・レール内の燃料圧力を常時一定に保つように制御している。

不適切

コモン・レール圧力制御

アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるように,サプライ・ポンプのサクション・コントロール・バルブに信号を送り,サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御する。コモン・レール内の燃圧は,アイドリング時で約 40 MPa に調整され,基本的にエンジンの負荷や回転速度が高くなる程,目標噴射圧も高くするようになっている。

 

(3)パイロット噴射制御を行っているときは,膨張行程でメイン噴射の噴射信号を出している。

適切

(4)吸入空気温度が低いとき及び冷却水温が低いときは,噴射量を減量補正する。

不適切

各種補正

各センサからの信号により,次の項目について,メイン及びパイロットの燃料噴射量を補正する。

(イ)吸気温補正

吸入空気温度が低いときは,空気密度が高くなるため増量する。

(ロ)暖機時増量補正

冷却水温が低いときは増量し,冷間時の運転性を向上させている。

(ハ)吸気圧補正

吸気圧力が低いときは,吸入空気量が少ないため減量する。

 

 

よって答えは4