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通信信号に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)符号形態の場合は,通信する情報を信号電圧の変化の組み合わせで作っているため,電圧の変化のみで通信内容の判断ができる。 |
(2)符号形態の場合は,装置ごとに定められた波形を確認することで通信内容の判断を含めた点検を行うことが可能である。 |
(3)信号形態の信号は,マイコンが直接取り扱える信号でデジタル信号とも呼ばれている。 |
(4)符号形態の場合は,通信情報を受信してもマイコンが通信文の解読ができなかった場合,また,解読してもプログラムに書き込まれている情報内容により異常と判断した場合に検知を行うことが可能である。 |
解く
(1)符号形態の場合は,通信する情報を信号電圧の変化の組み合わせで作っているため,電圧の変化のみで通信内容の判断ができる。 不適切 |
(2)符号形態の場合は,装置ごとに定められた波形を確認することで通信内容の判断を含めた点検を行うことが可能である。 不適切 |
CAN バス信号回路の信号形態(信号電圧波形) CAN 通信システムでは,通信規格は決められているが,細部の仕様は,各自動車メーカ仕様のシステムが採用されており,電気信号からデータ構成に関わるフレームへの変換,送信データの優先順位の管理,メッセージの受け渡し報告,エラーの検出や確認, bit の同期,タイミング,・トランシーバ及びバス特性などに関わる診断は,該当自動車メーカ仕様の外部診断器で行うしか診断は不可能である。
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(3)信号形態の信号は,マイコンが直接取り扱える信号でデジタル信号とも呼ばれている。 不適切 |
アナログ |
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(4)符号形態の場合は,通信情報を受信してもマイコンが通信文の解読ができなかった場合,また,解読してもプログラムに書き込まれている情報内容により異常と判断した場合に検知を行うことが可能である。 |
適切
メッセージ・データの構成は,各自動車メーカによりシステムの一部が独自の仕様になっている。
これら装置に関する故障領域の点検は,使用されているアドレス,コマンド,データなどのプロトコルに対応した車載式故障診断装置で行われるようになっている。
点検・整備の対応として車載式故障診断装置には,通信異常,バス・ラインの異常の検知及び ECU の診断機能が組み込まれ, CAN 通信システムと ECU ごとにダイアグノーシスが設定されている。 CAN 通信システムにトラブルが発生した場合は,ダッシュ・ボードのメータ・パネル又はモニタ・ディスプレイなどでトラブル発生の警告を行う。
警告システムは,該当装置によって様々で,ダイアグノーシス・コードなどのリストは,該当メーカの仕様及び手順に従い,専用外部診断器の活用が必須であるが,外部診断器以外の点検は,オシロスコープを活用した CAN バス・ラインへのノイズ混入とデジタル信号波形の確認が可能である。
この信号電圧波形の確認の点検は,目安程度のものであるが経験を積むと推測の領域は深くなる。また,サーキット・テスタによる点検では,バス・ラインの断線,短絡及び終端抵抗の確認が可能である。
よって答えは(4)