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平成16年実施検定1級小型問題30改:EPSの電子制御に関する記述

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EPSの電子制御に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)トルク・センサは,ステアリング・ホイールの操作に関する信号電圧を検出するセンサで,操舵速度と操舵力の検出を行い,ステアリングの荷重の軽減(アシスト)を行うための基本信号を作るものである。

(2)モード切り替えスイッチに使用されるものは,コンタクト・ポイントのスイッチ構造をもつトグル・スイッチ,マイクロ・スイッチ,リード・スイッチなどの機械式センサ及び半導体を使用したMR素子,ホール素子,光学素子などの半導体センサがあり,それらのセンサにより,「電圧あり」,「電圧なし」の論理形態の電気信号が作られる。

(3)アシスト・モータのDCブラシ・モータでは,入力する電圧の極性を変えることで正転・反転駆動ができ,かつ,PWMを利用してデューティ比駆動することで起動トルク,回転トルク及び拘束トルク(サーボ・ロックともいう。)を任意に設定できるようになっている。

(4)ホール素子タイプの車速センサは,車速に応じて出力波形の周波数と振幅が変化する。

 

解く

(1)トルク・センサは,ステアリング・ホイールの操作に関する信号電圧を検出するセンサで,操舵速度と操舵力の検出を行い,ステアリングの荷重の軽減(アシスト)を行うための基本信号を作るものである。

適切

リニア信号センサ

EPSのリニア信号センサとしては,トルク・センサがある。

トルク・センサは,ステアリング・ホイールの操作に関する信号電圧を検出するセンサで,操舵速度と操舵力の検出を行い,ステアリングの荷重の軽減(アシスト)を行うための基本信号を作るものである。種類には,図1一40のようにポテンショ・メータ式,半導体式,差動トランス式などがあり,リニア形態の電気信号が作られる。

信号電圧のうち,まず,直進時のセンタ値が設定され,操舵方向は,センタ値からの変位値で決

まり,操舵速度は,変位の変化量の速さで決まる。

また,操舵荷重は,ステアリング・ホイールからの操作力とステアリング・ホイール操作時における路面反力のモーメントからの変位量で決まる。ここでは,これらのトルク・センサ回路の構造・機能について説明する。

 

(2)モード切り替えスイッチに使用されるものは,コンタクト・ポイントのスイッチ構造をもつトグル・スイッチ,マイクロ・スイッチ,リード・スイッチなどの機械式センサ及び半導体を使用したMR素子,ホール素子,光学素子などの半導体センサがあり,それらのセンサにより,「電圧あり」,「電圧なし」の論理形態の電気信号が作られる。

適切

論理信号センサ

 EPSの論理信号センサとしては,モード切り替えスイッチがある。

 モード切り替えスイッチに使用されるものは,コンタクト・ポイントのスイッチ構造をもつトグル・スイッチ,マイクロ・スイッチ,リード・スイッチなどの機械式センサ及び半導体を使用したMR素子,ホール素子,光学素子などの半導体センサがあり,それらのセンサにより,「電圧あり」,「電圧なし」の論理形態の電気信号が作られる。

 

(3)アシスト・モータのDCブラシ・モータでは,入力する電圧の極性を変えることで正転・反転駆動ができ,かつ,PWMを利用してデューティ比駆動することで起動トルク,回転トルク及び拘束トルク(サーボ・ロックともいう。)を任意に設定できるようになっている。

適切

 

アシスト・モータの種類

アシスト・モータは,DCブラシ・モータ,DCブラシレス・モータ(三相インバータ・モータ)などが該当する。

DCブラシ・モータでは,入力する電圧の極性を変えることで正転・反転駆動ができ,かつ,PWMを利用してデューティ比駆動することで起動トルク,回転トルク及び拘束トルク((注1):サーボ・ロックともいう。)を任意に設定できるようになっている。

注1:拘束トルク(サーボ・ロック)とは,通電状態でモータの回転を止めて,制御位置を固定し,転舵角度を維持する制御に使用される。

DCブラシレス・モータ(三相インバータ・モータ)では,インバータ回路により三相交流を作り周波数を可変する。正転・反転駆動は,三相の内の二相への入力電圧の順序を変えることで行い,回転速度制御は,周波数の可変で行われている。更にPWMを利用してデューティ比駆動することで起動トルク,常用回転トルク及び拘束(保持)トルクを任意に設定できるようになっている。

また,これらのモータなどでは,駆動素子((注2):FET)による駆動効率化が向上し,放熱対策に大型の放熱器を必要としなくなっている。

注2:FETは,電界効果Trの略称で,作動べース電流がPNP又はNPNのTrなどの数mAと比べ,数µAと小さいため,省電力化と作動速度が向上している。現在,アクチュエータの回路などでは,このFETを使用した電子スイッチが主流となっている。回路説明を分かりやすくするため,FETをTrとして表記する。

 

(4)ホール素子タイプの車速センサは,車速に応じて出力波形の周波数と振幅が変化する。

不適切

よって答えは4