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前輪駆動車のVSCS(VSCSとは,ビークル・スタビリティ・コントロール・システムのことをいう。)に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)アンダステアと判定された場合,主に旋回外側前輪のブレーキを作動させる。 |
(2)アンダステアと判定された場合,主に旋回内側後輪のブレーキを作動させる。 |
(3)オーバステアと判定された場合,主に旋回外側後輸のブレーキを作動させる。 |
(4)オーバステアと判定された場合,主に旋回内側前輪のブレーキを作動させる。 |
解く
アンダステアと判定された場合
運転者がハンドル操舵をした場合に,操舵量と車速から決定される目標ヨー・レートよりも,図 のように実際の車両ヨー・レートが少なければ,車体が曲がっていないことを意味し,アンダステア状態と判定される
ため,抑制させるには,図 のように主に旋回内側の後輪にブレーキを掛けアンダステア抑制モーメントを発生させると共に,他の車輪(左右前輪)にもブレーキを掛けて車速を下げ,横力を減少させることにより,アンダステアを抑制している。
オーバステアと判定された場合
VSCSの作動
ここでは,フロント・エンジン・フロント・ドライブ( FF )式の車両に採用されている VSCS のブレーキ油圧制御について説明する。なお,フロント・エンジン・リヤ・ドライブ( FR )式の車両に採用されている VSCS のブレーキ油圧制御とは異なる。
VSCS は,各センサの情報をスキッドECUで演算した結果,右旋回時を例として説明すると,図のように車両のスリップ角が大きく,スリップ角速度も大きい場合は,オーバステア状態と判定される
ので抑制させるには,
図 のようにオーバステア抑制モーメントを発生させることができる旋回外側の前輪にブレーキを掛け(増圧)抑制する。また,ブレーキを掛けたことで車速が低下し車両が安定するようになる。
よって答えは(2)