8
エア・スプリング型サスペンションに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1) エア・サスペンション系統の異常でエア・タンクの圧力が規定以下になった場合は,プロテクション・バルブが開いて,エア・ブレーキ系統のエアの圧力が低下するのを防止している。
(2) ベローズ型のエア・スプリングの耐久性は,ダイヤフラム型のエア・スプリングより優れている。
(3) 荷重の増減に関係なく,固有振動数をほぼ一定に保つことができる。
(4) 前後,左右方向の剛性がないので,アクスルを支持するための機構を備える必要がある。
解く
(1) エア・サスペンション系統の異常でエア・タンクの圧力が規定以下になった場合は,プロテクション・バルブが開いて,エア・ブレーキ系統のエアの圧力が低下するのを防止している。
不適切
(9)プロテクション・バルブ
図に示すプロテクション・バルブは、エア・サスペンション系統にエア漏れが発生したとき、ブレーキ装置などの他の系統のエア圧力が失われないようにするためのものである。
エア・タンクとレベリング・バルプの配管途中に設置してあり、エア・タンクからのエアがプロテクション・バルブの開弁圧に達するとスプリングが縮み、ピストンを押し下げ、レベリング・バルブに圧縮されたエアが流れる。
このため、エア・サスペンション系統にエア漏れが発生し、エア・タンクの圧力がプロテクション・バルブの開弁圧を下回ると、プロテクション・バルブが閉じるため、エア・タンクの圧力はプロテクション・バルブの開弁圧で保持することができる。


(2) ベローズ型のエア・スプリングの耐久性は,ダイヤフラム型のエア・スプリングより優れている。
適切
ベローズ型のエア・スプリングは、図のような形状をしており、べローズ(ゴム層)の上下にエンド・プレートを取り付けて気密を保つようにしてある。べローズは、2山から4山のものがあり,変形を防ぐため、谷部にリングが入れてある。べローズ型は耐久性が優れているが、ストロークに対する容積の変化が大きいため、大容量のエア・サスペンション用エア・タンクが必要となる。

ダイヤフラム型のエア・スプリングは、図のようなもので、ストロークに応じてダイヤフラム(ゴム層)が反転する構造のため、必要なばね定数やばね特性が得られるが、耐久性はべローズ型より劣っている。

(3) 荷重の増減に関係なく,固有振動数をほぼ一定に保つことができる。
適切
乗り心地は、ボデーの固有振動数に左右されるが、ボデーのの上下方向の固有振動数は荷重とスプリングのばね定数どの関係で決まり、このボデーの固有振動数がある程度大きくなると不快を感じる。
図は、金属ばねとエア・スプリングについて、荷重の変動に対してのばね定数及びボデーの上下方向の固有振動数の変化を比較したものである。、金属ばねの場合、ばね定数が一定であり、スプリングは最大積載荷重に耐えるように設計されているため、車両が軽荷重のときはばねが硬すぎて固有振動数が大きくなり、結果、乗り心地が悪くなってしまう。しかし、エア・スプリングでは荷重が小さくなれば、ばねも柔らかくなるため、固有振動数は大きくならず、軽荷重のときでも乗り心地がよい。

(4) 前後,左右方向の剛性がないので,アクスルを支持するための機構を備える必要がある。
適切
◎エア・スプリング
エア・スプリングは、空気の弾性を利用したスプリングで、内部のエアの圧力により荷重を支えており、ホイールの上下運動に応じ、伸縮してばね作用をするもので、べローズ型とダイヤフラム型がある。
長所としては、
・非常に軟らかいばね特性が、比較的容易に得られる。
・スプリングの硬さが荷重にほば比例して変化するので、空車時、積車時の乗り心地の差が少ない。
短所としては、
・圧縮エアを作るためのコンプレッサや、荷重によってエアの圧力を自動的に調整するレベリング・バルブなどが必要となる。
・前後、左右方向の剛性がないので、コイル・スプリングと同様にアクスルなどを支持するための機構を備える必要がある。
・上下動による振動を減衰する作用がほとんどないので、大容量のショック・アブソーバが必要となる。
よって答えは(1)