自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

平成15年3月実施検定1級小型問題:振動・騒音に関する記述

振動・騒音に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)音の大きさを表わす音圧レベル(音の強さ)は,一般的に人間が感じることができる最も小さい音圧との対数比であり,単位はdBで表わす。

(2)50dBの音源が10個あると,音圧レベルはおよそ60dBになる。

(3)人の可聴範囲は20Hz~20kHzの振動周波数といわれている。

(4)不具合車両の近接排気騒音を測定する場合は,人の聴覚に近いC特性を用いて測定する。

 

 

解く

(1)音の大きさを表わす音圧レベル(音の強さ)は,一般的に人間が感じることができる最も小さい音圧との対数比であり,単位はdBで表わす。

適切

音圧レベル

音圧レベルとは,音圧(空気の圧力変動)の対数比(注参照)であり単位はdB(デシベル)で表される。

(注)対数比とは,音の感覚量と物理量の関係をいう。

 

(2)50dBの音源が10個あると,音圧レベルはおよそ60dBになる。

適切

(3)人の可聴範囲は20Hz~20kHzの振動周波数といわれている。

適切

人は,20Hz以下を振動のみとして感じ,20Hz~20kHzを音として感じることができ,この音として感じる範囲を可聴範囲という。また,人の耳には聞こえない20kHz以上の高い周波数の音を“超音波”と呼び,メガネ洗浄器や医療機器などに用いられている。

 

(4)不具合車両の近接排気騒音を測定する場合は,人の聴覚に近いC特性を用いて測定する。

不適切

音の測定

騒音を測定する場合,騒音計のマイクロホンは,測定者の体験と同調できる耳元の位置にセットして行う。

(a)A特性

A特性は図のように,人の聴覚に最も近い補正をする。排気騒音の測定など,自動車の騒音を測定するときに使用される。測定の単位はdB(A)と表す。

(b)C特性

C特性は,図のように,ほぼ平坦な特性であり,車検の完成検査時等,警音器の音の測定に使用する。人の聴覚とは異なるため,特に,低周波数域では,人の感覚より大きな値を示す。したがって,一般にA特性よりもdBが高くなる。測定の単位はdB(C)と表す。

75km / hで,こもり音が発生する車両の騒音をA特性とC特性で測定した場合,図1-43のような特性が得られれば,A特性では確かに75km / hで,ピーク値70dB(A)であるが,C特性では,60km/ hでピーク値約93dB(C)となる。このように,A特性とC特性では,同じ騒音を測定しても測定値のピーク車速やピーク値が異なるので,不具合自動車の騒音を測定する場合は,人の聴覚に近いA特性で測定する。

(c)F特性

音圧レベルを測定する場合は,振動周波数を補正しない音の物理的尺度であるF特性(平たん:Flat特性)で行い,音圧レベルとして表示するときの単位はdBである。

 

よって答えは4