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騒音計の振動周波数補正特性と測定内容の組み合わせとして,適切なものは次のうちどれか。
解く
よって答えは(3)
騒音計
騒音計は騒音ばかりではなく,種々の音の大きさを測る計器である。その指示値は,人間が耳で聴く音の大きさの感じにできるだけ近い値を示すことが望ましく,マイクロホンの出力を増幅して,その結果を指示(表示)する表示部の動特性をできるだけ,耳の特性に近くなるように調整してある。
人の聴覚は,振動周波数に対する音の感度がそれぞれ異なるため,音を測定する騒音計では,振動周波数に対する音の感度を変えられるように,
A,C及びFの振動周波数補正特性のパターン選択スイッチが付いている。一般に,自動車から発生する音の大きさ(dB)を指示する場合,この補正を加えた後の値が用いられている。以下,図のような騒音計について説明する。
(イ)音の測定
騒音を測定する場合,騒音計のマイクロホンは,測定者の体験と同調できる耳元の位置にセットして行う。
(a)A特性
A特性は図のように,人の聴覚に最も近い補正をする。排気騒音の測定など,自動車の騒音を測定するときに使用される。測定の単位はdB(A)と表す。
(b)C特性
C特性は,図のように,ほぼ平坦な特性であり,人の聴覚とは異なるため,特に,低周波数域では,人の感覚より大きな値を示す。したがって,一般にA特性よりもdBが高くなる。測定の単位はdB(C)と表す。
75km / hで,こもり音が発生する車両の騒音をA特性とC特性で測定した場合,図のような特性が得られれば,A特性では確かに75km / hで,ピーク値70dB(A)であるが,C特性では,60km/ hでピーク値約93dB(C)となる。このように,A特性とC特性では,同じ騒音を測定しても測定値のピーク車速やピーク値が異なるので,不具合自動車の騒音を測定する場合は,人の聴覚に近いA特性で測定する。
(c)F特性
音圧レベルを測定する場合は,振動周波数を補正しない音の物理的尺度であるF特性(平たん:Flat特性)で行い,音圧レベルとして表示するときの単位はdBである。