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EPSに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)車速1km/h以下で,かつ,エンジン回転速度2000min-1以上を約1分継続したとき,システムは正常でもEPS警告灯は点灯する。 |
(2)据切り操作を極端に繰り返した場合で,EPS・ECUが補助動力を徐々に低下させてシステム保護を行うとき,EPS警告灯は点灯しない。 |
(3)イグニション・スイッチONから約3秒後,EPS・ECU内部からリレーの作動音が発生する。 |
(4)EPS・ECUはトルク・センサ中点値をEEP ROMに記憶しているため,ギヤ・ボックスの脱着,トルク・センサ交換時に改めてトルク・センサ中点値を書き込む必要はない。 |
解く
(1)車速1km/h以下で,かつ,エンジン回転速度2000min-1以上を約1分継続したとき,システムは正常でもEPS警告灯は点灯する。 不適切 |
警告灯 警告灯は,車載故障診断装置により,故障を点灯で表示すると共に,サービス用にダイアグノーシス・コードの点滅表示をするものである。 コンビネーション・メータ内にあるEPS専用の警告灯で,システムが正常なとき,イグニション・スイッチONで点灯し,エンジンが始動すると消灯する。 エンジン始動の際に故障があった場合は,消灯しないようになっている。また,エンジンを始動してEPS警告灯が消灯した後に故障が発生すると点灯する。 ダイアグノーシス・コードの11,12,13,35を持ったときは,一度点灯すると,ダイアグノーシス・コードを消去するまで警報し続ける。 EPS警告灯は,システムが正常でも下記の条件のときに点灯する。 ①車速1km/h以下で,かつ,エンジン回転速度2000min-1以上を3分継続したとき。 ②エンジン回転速度500min-1以下で,かっ,車速10km/h以上を3秒継続したとき。 |
(2)据切り操作を極端に繰り返した場合で,EPS・ECUが補助動力を徐々に低下させてシステム保護を行うとき,EPS警告灯は点灯しない。 適切 補助動力の制限 据え切り操作を極端に連続して行うようなときには,モータ電力が増大してECUが発熱し,システムに悪影響を及ばすことが予想できる。このため,モータ電流を監視しており,発熱状態のときは,補助動力を徐々に低下させてシステムの保護を行っている(モータ出力制限制御)。このとき,EPS警告灯は点灯しない。なお,復帰には最長で8分程度を必要とするので考慮する。
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(3)イグニション・スイッチONから約3秒後,EPS・ECU内部からリレーの作動音が発生する。 不適切 |
EPS・ECUの作動音 イグニション・スイッチOFFから約3秒後,ECU内部から音が発生する。これはリレーの作動音であり異常ではない。 |
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(4)EPS・ECUはトルク・センサ中点値をEEP ROMに記憶しているため,ギヤ・ボックスの脱着,トルク・センサ交換時に改めてトルク・センサ中点値を書き込む必要はない。 |
不適切
トルク・センサ中点値
ECUは,トルク・センサ中点値をEEPROM(消去プログラム対応読み出し専用メモリ)に記憶している。したがって,ギヤ・ポックスの脱着,トルク・センサ交換,ECUの交換時は,トルク・センサ中点値の書き込みを行うこと。また,ダイアグノーシス・コードを消去しても,トルク・センサ中点値は消去されない。
よって答えは(2)