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自動車整備士資格試験を解く

平成17年実施検定1級小型問題20:ラック・アシスト式のEPS

20

ラック・アシスト式のEPS(EPSとは,電動式パワー・ステアリングのことをいう。以下同じ。)に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)車速10km/h以下でかつエンジン回転速度500min-1以上を約3分継続したときシステムは正常でも,EPS警告灯は点灯する。

(2)据切り操作を極端に連続して繰り返した場合,モータ電力が増大し,発熱状態となると,EPS警告灯は点灯する。

(3)イグニション・スイッチOFFから約3秒後,EPS・ECU内部からリレーの作動音が発生する。

(4)EPS・ECUはトルク・センサ中点値をEEP・ROM(消去プログラム対応読み出し専用メモリ)に記憶しているため,ギヤ・ボックスの脱着,トルク・センサ交換時はトルク・センサ中点値を書き込まなくて良い。

 

解く

(1)車速10km/h以下でかつエンジン回転速度500min-1以上を約3分継続したときシステムは正常でも,EPS警告灯は点灯する。

不適切

EPS警告灯は,システムが正常でも下記の条件のときに点灯する。

①車速1㎞/h以下で,かつ,エンジン回転速度2000min-1以上を3分継続したとき。

②エンジン回転速度500min-1以下で,かつ,車速10㎞/h以上を3秒継続したとき。

 

(2)据切り操作を極端に連続して繰り返した場合,モータ電力が増大し,発熱状態となると,EPS警告灯は点灯する。

不適切

補助動力の制限

据え切り操作を極端に連続して行うようなときには,モータ電力が増大してECUが発熱し,システムに悪影響を及ぼすことが予想できる。このため,モータ電流を監視しており,発熱状態のときは,補助動力を徐々に低下させてシステムの保護を行っている(モータ出力制限制御)。このとき,EPS警告灯は点灯しない。なお,復帰には最長で8分程度を必要とするので考慮する。

 

(3)イグニション・スイッチOFFから約3秒後,EPS・ECU内部からリレーの作動音が発生する。

適切

EPS ・ ECU の作動音

イグニション・スイッチOFFから約3秒後,ECU内部から音が発生する。これはリレーの作動音であり異常ではない。

 

(4)EPS・ECUはトルク・センサ中点値をEEP・ROM(消去プログラム対応読み出し専用メモリ)に記憶しているため,ギヤ・ボックスの脱着,トルク・センサ交換時はトルク・センサ中点値を書き込まなくて良い。

不適切

トルク・センサ中点値

ECUは,トルク・センサ中点値をEEP ROM(消去プログラム対応読み出し専用メモリ)に記憶している。したがって,ギヤ・ボックスの脱着,トルク・センサ交換,ECUの交換時は,トルク・センサ中点値の書き込みを行うこと。また,ダイアグノーシス・コードを消去しても,トルク・センサ中点値は消去されない。

 

 

よって答えは3