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令和7年10月実施2級ガソリン問題7:インテーク側に用いられる油圧式の可変バルブ・タイミング機構

〔NO.7〕

インテーク側に用いられる油圧式の可変バルブ・タイミング機構に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)遅角時は、インテーク・バルブの閉じる時期を遅くして高速回転時の体積効率を高めている。

(2)エンジン停止時には、オイル・コントロール・バルブのスプール・バルブは中立位置に移動する。

(3)進角時は、インテーク・バルブの開く時期が早くなるので、バルブのオーパラップ量が多くなり,中速回転時の体積効率が高くなる。

(4)油圧制御によりバルブの作動角は一定のまま、カムの位相を変えてインテーク・バルブの開閉時期を変化させている。

 

 

解く

(1)遅角時は、インテーク・バルブの閉じる時期を遅くして高速回転時の体積効率を高めている。

適切

作動には、遅角、進角及び保持がある。

遅角時は、オーバラップ量を少なくしてアイドリング時の安定化を図り、また、インテーク・バルブの閉じる時期を遅くして高速回転時の体積効率を高めている。

 

 

(2)エンジン停止時には、オイル・コントロール・バルブのスプール・バルブは中立位置に移動する。

不適切

エンジン停止時には、ロック装置により最遅角状態で固定されるようになっている。

遅角

遅角時は、からの遅角信号により、図左のようにコントロール・バルブのスプール・バルブが右側に移動するので、オイル・ポンプからの油圧がバルブ・タイミング・コントローラの遅角側油圧室に掛かる。

そのため、ベーンは、カムシャフトを図の矢印の方向に回転させるので、バルブ・タイミングは遅角状態となる。

なお、図のようなべーンの位置では、カムシャフトの位置が最大の遅角状態であるため、図右のようなバルブ・タイミングとなる。

(3)進角時は、インテーク・バルブの開く時期が早くなるので、バルブのオーパラップ量が多くなり,中速回転時の体積効率が高くなる。

適切

インテーク・バルブの閉じる時期が早いAのように低速回転では体積効率は高いが高速回転では低下する。

 

進角

進角時は、ECUからの進角信号により、図左のようにコントロール・バルブのスプール・バルブが左側に移動するので、オイル・ポンプの油圧がバルブ・タイミング・コントローラの進角側油圧室に掛かるが、遅角側油圧室の油圧はドレーンから解放される。そのため、ベーンが進角側へ回転し、カムシャフトはカムシャフト・タイミング・スプロケットに対して、図左の矢印の方向に回転する。

なお、図左のようなべーンの位置では、カムシャフトの位置が最大の進角状態であるため、図右のようなバルブ・タイミングとなる。

(4)油圧制御によりバルブの作動角は一定のまま、カムの位相を変えてインテーク・バルブの開閉時期を変化させている。

適切

可変バルブ・タイミング機構

油圧式

図に示す圧式の可変バルブ・タイミング機構は、インテーク側のカムシャフト前部のカムシャフト・タイミング・スプロケット部にバルブ・タイミング・コントローラを設けたもので、油圧制御によりバルブの作動角(バルブが開いている時間)は一定のまま、カムの位相を変えてインテーク・バルブの開閉時期を変化させている。

バルブ・タイミングの変更は、エレクトロニック・コントロール・ユニット(以下、ECUという。)からの信号(デューティ信号)により制御されるオイル・コントロール・バルブを設け、これによりバルブ・タイミング・コントローラに掛かる油圧を制御することで行っている。

 

よって答えは2