〔NO.8〕
電子制御式燃料噴射装置のセンサに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)バキューム・センサの出力電圧は、インテーク・マニホールド圧力が高くなるほど大きくなる(増加する)特性がある。
(2)ホール素子式のアクセル・ポジション・センサは、制御用センサと異常検出用センサの二重系統になっており、ECUは二つの信号の電圧差により異常を検出している。
(3)空燃比センサの出力は、理論空燃比より小さい(濃い)と低くなり、大きい(薄い)と高くなる。
(4)ジルコニア式O2センサのジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度の差がないときに起電力が発生する性質がある。
解く
(1)バキューム・センサの出力電圧は、インテーク・マニホールド圧力が高くなるほど大きくなる(増加する)特性がある。
適切
バキューム・センサの出力電圧は、インテーク・マニホールド圧力が高くなると、出力電圧はほぼ比例して大きくなる特性をもち、大気圧は場所、天候などによって変化するが、バキューム・センサは真空との差、すなわち、絶対圧を検出しており、大気圧の影響を受けることなく常に適正なインテーク・マニホールド圧力の電気信号を検出することができる。
(2)ホール素子式のアクセル・ポジション・センサは、制御用センサと異常検出用センサの二重系統になっており、ECUは二つの信号の電圧差により異常を検出している。
適切
アクセル・ポジション・センサは、一般にスロットル・ポジション・センサと同様にホール素子式が多く用いられているため、センサの作動については省略する。

なお、信号電圧についても図のようにスロットル・ポジション・センサと同じく2重系統になっており、信頼性の確保を図っている。ただし、両方の
信号に異常が発生したときの制御はスロットル・ポシション・センサと同様であるが、どちらか一方の回路に異常が発生した場合、ECUは二つの信号の電圧差により異常を検出すると共に二つの信号値から制限を設けたアクセル開度を算出し、スロットル・バルブ開度制御を行うことで、退避走行を可能としている。
(3)空燃比センサの出力は、理論空燃比より小さい(濃い)と低くなり、大きい(薄い)と高くなる。
適切

(4)ジルコニア式O2センサのジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度の差がないときに起電力が発生する性質がある。
不適切
ジルコニア素子は、高温で内外面の酸素濃度の差が大きいと起電力を発生する性質がある。
よって答えは(4)