12.コモン・レール式高圧燃料噴射システムに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)コモン・レールは、高圧システム内の圧力振動波を低減する機能を備えており、材料にはクロム・モリプデン鋼などが用いられている。
(2)噴射圧力を高圧化することで液体の燃料が微粒化し、その結果、着火性が良くなるので噴射タイミングを遅角させることができ、着火遅れや燃焼期間が短くなることにより燃焼温度が低くなるため、NOXの生成を低減できる。
(3)サプライ・ポンプ本体には、インナ・カム、ローラ、プランジャにより構成されるインナ・カム機構が採用され、従来の分配型インジェクション・ポンプのフェイス・カム機構と比較すると超高圧化が可能となる。
(4)エンジンECUは、アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し、レール圧センサの検出値が目標値になるように、サプライ・ポンプのデリバリ・バルブにON・OFF信号を送ることで、サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御している。
解く
(1)コモン・レールは、高圧システム内の圧力振動波を低減する機能を備えており、材料にはクロム・モリプデン鋼などが用いられている。
コモン・レール
コモン・レールは,図 のようになっており高圧燃料を蓄え,インジェクタに供給することにより電子制御噴射を可能にしている。また,高圧システム内の圧力振動波を低減する機能も備えており,材料にはクロム・モリブデン鋼が用いられている。レール部の燃料圧力はレール圧センサにより計測され,エンジン ECU にフィードバック信号として送られているため,常にエンジンの状態に適した圧力( 20 ~ 135 MPa )に保たれる。また,プレッシャ・リミッタは,異常高圧時に燃料を逃がし安全性を確保している。

よって(1)は適切
(2)噴射圧力を高圧化することで液体の燃料が微粒化し、その結果、着火性が良くなるので噴射タイミングを遅角させることができ、着火遅れや燃焼期間が短くなることにより燃焼温度が低くなるため、NOⅹの生成を低減できる。
コモン・レール式高圧燃料噴射システムのように噴射圧力を高圧化することで液体の燃料を微粒化させ,微粒化したことで総表面積が大きくなり周囲の吸入空気や熱とよく触れることになり,良い燃焼状態になり PM の発生が低減する。さらに,微粒化したことで着火性が良くなるため噴射タイミングを遅角させることができ,着火遅れや燃焼期間が短くなることにより燃焼温度が低くなるため,NOx の生成も低減できる。
よって(2)は適切
(3)サプライ・ポンプ本体には、インナ・カム、ローラ、プランジャにより構成されるインナ・カム機構が採用され、従来の分配型インジェクション・ポンプのフェイス・カム機構と比較すると超高圧化が可能となる。
サプライ・ポンプ
サプライ・ポンプは,図 のように燃料をフューエル・タンクからサプライ・ポンプへ供給するフィード・ポンプ,ポンプ内の燃圧を調整するレギュレート・バルブ,ポンプ本体内への燃料吸入量を制御する 2 個のサクション・コントロール・バルブ,燃料をコモン・レールへ圧送するポンプ本体とデリバリ・バルブなどにより構成されている。
ポンプ本体は,インナ・カム,ローラ及びプランジャにより構成されるインナ・カム機構を採用しており,従来の分配型インジェクション・ポンプのフェイス・カム機構と比較すると超高圧化が可能となる。ポンプの駆動力は,ポンプ前方に取り付けられるタイミング・ギヤにより,クランクシャフトからドライブ・シャフトを介してインナ・カムに伝えられる。インナ・カムの内側には,二つのプランジャ・システムが直列に水平方向(プランジャ A )と垂直方向(プランジャ B )に配置されており,一方が吸入行程のとき,もう一方は圧送行程になる構造となっているため安定した燃料供給が行える。

よって(3)は適切
(4)エンジンECUは、アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し、レール圧センサの検出値が目標値になるように、サプライ・ポンプのデリバリ・バルブにON・OFF信号を送ることで、サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御している。
コモン・レール圧力制御
アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し,レール圧センサの検出値が目標値になるように,サプライ・ポンプのサクション・コントロール・バルブに信号を送り,サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御する。コモン・レール内の燃圧は,アイドリング時で約 40 MPa に調整され,基本的にエンジンの負荷や回転速度が高くなる程,目標噴射圧も高くするようになっている。
よって(4)は不適切
よって答えは(4)