〔No.6〕
シリンダ・ヘッドとピストンで形成されるスキッシュ・エリアに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)スキッシュ・エリアの面積が大きくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
(2)斜めスキッシュ・エリアは、斜め形状により吸入通路からの吸気がスムーズになり、強い渦流の発生が得られる。
(3)スキッシュ・エリアによる渦流は、燃焼行程における火炎伝播の速度を低くし、混合気の燃焼時間を延長することで最高燃焼ガス温度の上昇を促進させる役目を担っている。
(4)スキッシュ・エリアの厚み(クリアランス)が小さくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
解く
(1)スキッシュ・エリアの面積が大きくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
適切
(2)斜めスキッシュ・エリアは、斜め形状により吸入通路からの吸気がスムーズになり、強い渦流の発生が得られる。
適切
(3)スキッシュ・エリアによる渦流は、燃焼行程における火炎伝播の速度を低くし、混合気の燃焼時間を延長することで最高燃焼ガス温度の上昇を促進させる役目を担っている。
不適切
(4)スキッシュ・エリアの厚み(クリアランス)が小さくなるほど混合気の渦流の流速は高くなる。
適切
よって答えは(3)
スキッシュ・エリアは、図(1)のようにピストン・ヘッドとシリンダ・ヘッド内面との隙間をできるたけ小さくし、ピストンが上死点に近づくと、混合気がその部分から押し出され、流速を高めてスパーク・プラグの方向に集中して向かうことで渦流を発生させる。
また、図(2)の斜めスキッシュ・エリアは、図(1)をさらに発展させたもので斜め形状により吸入通路からの吸気がスムーズになり、強い渦流の発生が得られる。このようにスキッシュ・エリアによる渦流は、燃焼行程における火炎伝播の速度を高め、混合気の燃焼時間の短縮を図ることで最高燃焼ガス温度の上昇を抑制する役目を担っている。
(注)スキッシュ・エリアとは、シリンダ・ヘッド底面とピストン頂面との間に形成される間隙部のことをいい、スキッシュ・エリアにより発生した混合気の渦流の流速は、このスキッシュ・エリアの面積とその厚み(クリアランス)に大きく影響され、面積が大きいほど、また、厚みが小さいほと高くなる。
