問題番号:2cR070319
ツイスト・ペア線を用いたCAN通信に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1) 一端の終端抵抗が断線していても通信は継続されるが,耐ノイズ性は低下する。
(2) バス・オフ状態とは,エラーを検知し,リカバリ後にエラーが解消し,通信を再開した状態をいう。
(3) CAN通信では,バス・ライン上のデータを必要とする複数のECUは同時にデータ・フレームを受信することができない。
(4) CAN-Hが3.5V,CAN-Lが1.5Vの状態をレセシブという。
解く
正解は (1) です。✅
この問題は、CANの終端抵抗・バスオフ・マルチキャスト通信・ドミナント/レセシブを理解しているかを問う問題です。
(1) 一端の終端抵抗が断線していても通信は継続されるが、耐ノイズ性は低下する。
✅ 適切 → 正解
これが正しいです。
CAN通信では、バス・ラインの両端に通常120Ωの終端抵抗を設けています。
終端抵抗の主な役割は、
通信信号の反射を抑えること
です。
そのため、一方の終端抵抗が断線すると、
終端抵抗1個断線
↓
信号の反射などが発生しやすくなる
↓
通信品質・耐ノイズ性が低下
となります。
ただし、1個断線しただけで直ちに通信そのものが完全に停止するわけではありません。
ここは前の問題でも出てきた重要ポイントです。
🧠 覚え方
終端抵抗1個断線 → 通信は継続できる場合があるが、通信品質が低下
(2) バス・オフ状態とは、エラーを検知し、リカバリ後にエラーが解消し、通信を再開した状態をいう。
❌ 不適切
これはバス・オフ状態の説明が逆です。
CANでは通信エラーが繰り返されると、ECUのエラー・カウンタが増加します。
一定以上になると、そのECUは、
バス・オフ
という状態になります。
バス・オフになると、
そのECUはCANバスから切り離された状態
となり、通信を行わなくなります。
つまり、
バス・オフ=通信を再開した状態
ではありません。
むしろ、
バス・オフ=通信から離脱した状態
と覚えます。
(3) CAN通信では、バス・ライン上のデータを必要とする複数のECUは同時にデータ・フレームを受信することができない。
❌ 不適切
これはCANの大きな特徴に反しています。
CANでは、バス上に送信されたデータ・フレームを、複数のECUが同時に受信することができます。
例えば、
ECU A
↓
「車速」のデータをCANバスに送信
すると、
ECU B
ECU C
ECU D
など、必要としている複数のECUがそのデータを受信できます。
つまり、
1つのデータ・フレームを複数のECUが受信可能
です。
CANの特徴の一つですね。
(4) CAN-Hが3.5V、CAN-Lが1.5Vの状態をレセシブという。
❌ 不適切
これはドミナントです。
CANの電圧は、この組み合わせを覚えておきましょう。
|
状態 |
CAN-H |
CAN-L |
|
レセシブ |
約2.5V |
約2.5V |
|
ドミナント |
約3.5V |
約1.5V |
したがって、
CAN-H=3.5V
CAN-L=1.5V
はドミナントです。
問題文は「レセシブ」としているので誤りです。
🔥 4択まとめ
|
選択肢 |
判定 |
ポイント |
|
(1) |
✅ |
終端抵抗1個断線 → 通信継続可能、耐ノイズ性低下 |
|
(2) |
❌ |
バス・オフ=通信から離脱した状態 |
|
(3) |
❌ |
複数ECUが同時に受信可能 |
|
(4) |
❌ |
3.5V/1.5V=ドミナント |
🧠 CANの頻出ポイントをまとめて暗記
今回までの問題をまとめると、ここはかなり重要です。
終端抵抗
120Ω × 2個
→ 信号の反射を抑える
1個断線
→ 通信品質・耐ノイズ性が低下
→ 必ず全通信停止ではない
電圧
レセシブ
CAN-H ≒ 2.5V
CAN-L ≒ 2.5V
ドミナント
CAN-H ≒ 3.5V
CAN-L ≒ 1.5V
🧠 数字の覚え方
レセシブ → 2.5・2.5
ドミナント → 3.5・1.5
バス・オフ
エラーが多発 → バス・オフ → そのECUが通信から離脱
「通信再開」ではありません。
CANの受信
1つのデータ・フレームを複数ECUが受信できる
これがCANの重要な特徴です。
⭐ 今回の正解
① 一端の終端抵抗が断線していても通信は継続されるが、耐ノイズ性は低下する。
👉 正解は①です。