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全流ろ過圧送式の潤滑装置に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1)オイル・フィルタは、オイル・ストレーナとオイル・ポンプの間に設けられている。
(2)トロコイド式オイル・ポンプに設けられたリリーフ・バルブは、エンジンの回転速度が上昇して油圧が規定値に達すると、バルブが閉じる。
(3)ガソリン・エンジンに装着されているオイル・クーラは、一般に空冷式のものが用いられている。
(4)エンジン・オイルは、一般に油温が125℃~130℃以上になると、急激に潤滑性を失う。
解く
(1)オイル・フィルタは、オイル・ストレーナとオイル・ポンプの間に設けられている。
不適切
(2)トロコイド式オイル・ポンプに設けられたリリーフ・バルブは、エンジンの回転速度が上昇して油圧が規定値に達すると、バルブが閉じる。
不適切
油圧の制御
潤滑部に供給されるオイルの圧力は、オイルの粘度、潤滑系統の状態、オイル・ポンプの性能、エンジンの回転速度などにより変化する。したがって、この油圧が規定値より高くならないように調整するため、リリーフ・バルプが設けられている。
図は、トロコイド式オイル・ポンプに設けられたリリーフ・バルブの一例で、バルブ、スプリングなどで構成されている。
エンジンの回転速度が上昇して油圧が規定値に達すると、バルブが開き、オイルの一部をオイル・パンやオイル・ポンプ吸入側に戻して油圧を制御している。
(3)ガソリン・エンジンに装着されているオイル・クーラは、一般に空冷式のものが用いられている。
不適切
オイルの冷却
オイルは、その温度が125~130℃以上になると、急激に潤滑性を失うようになる。一般的にオイルは、90℃を超えないことが望ましいので、オイルの温度が高くなるようなエンジンでは、オイル・クーラを装着してオイルの冷却を行っている。
オイル・クーラには、水冷式と空冷式とがあるが、一般に図のような水冷式のものが用いられており、構造はオイルが流れる通路と冷却水が流れる通路を交互に数段積み重ねて一体化したものとなっている。
なお、水冷式オイル・クーラは、エンジン始動直後の冷間時には温度の上昇が早い冷却水によりオイルが温められるため、ウォーマとしても機能している。
(4)エンジン・オイルは、一般に油温が125℃~130℃以上になると、急激に潤滑性を失う。
適切
よって答えは(4)