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令和4年3月実施1級小型問題31:Lジェトロニック方式エンジンの不具合点検

Lジェトロニック方式エンジンの不具合点検において,暖機後無負荷アイドリング状態におけるO2センサ信号電圧の点検結果と故障診断に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)O2センサ信号電圧が1V付近で一定の場合,「エア・フロー・メータの信号電圧のHi側への特性ずれ」が考えられ,「エア・フロー・メータのアース線の接触抵抗増大」も考えられる。

 

(2)O2センサ信号電圧が0V付近で一定の場合,「プレッシャ・レギュレータ不良による燃圧の低下」は考えられるが,「エア・フロー・メータの信号線の接触抵抗増大」は考えられない。

 

3)O2センサ信号電圧が1V付近で一定の場合,「プレッシャ・レギュレータのダイヤフラムの破れ」が考えられ,「フューエル・ポンプのフィルタの詰まり」も考えられる。

 

(4)O2センサ信号電圧が0V付近で一定の場合,「水温センサの信号電圧のHi側への特性ずれ」は考えられない。

 

 

 

解く

 

(1)O2センサ信号電圧が1V付近で一定の場合,「エア・フロー・メータの信号電圧のHi側への特性ずれ」が考えられ,「エア・フロー・メータのアース線の接触抵抗増大」も考えられる。

 

エア・フロー・メータの信号電圧のHi側への特性ずれ

空燃比小=濃い=1V付近

 

エア・フロー・メータのアース線の接触抵抗増大

下図のような電圧になり,極端な例だが,電源電圧が入力され,空燃比は小さくなり,O2センサ信号電圧が1V付近で一定になる。

 

適切

 

 

(2)O2センサ信号電圧が0V付近で一定の場合,「プレッシャ・レギュレータ不良による燃圧の低下」は考えられるが,「エア・フロー・メータの信号線の接触抵抗増大」は考えられない。

 

プレッシャ・レギュレータ不良による燃圧の低下

空燃比大=薄い=0V付近で一定

 

エア・フロー・メータの信号線の接触抵抗増大

信号線に接触抵抗を追加して考えると,正常な信号電圧は分圧されて低下するので,実際の空気量より少ない量の信号電圧がが入力される。

よって空燃比が大きくなり,O2センサ信号電圧が0V付近で一定になる。

 

不適切

 

3)O2センサ信号電圧が1V付近で一定の場合,「プレッシャ・レギュレータのダイヤフラムの破れ」が考えられ,「フューエル・ポンプのフィルタの詰まり」も考えられる

プレッシャ・レギュレータのダイヤフラムの破れ

通常より燃圧が高くなる。

ダイヤフラムの破れから燃料が吸われ,通常より空燃比が小さくなる。

0V付近で一定

フューエル・ポンプのフィルタの詰まり

燃料の絶対量が少なくなる=空燃比大

0V付近で一定

 

不適切

 

(4)O2センサ信号電圧が0V付近で一定の場合,「水温センサの信号電圧のHi側への特性ずれ」は考えられるが,「水温センサのアース線の接触抵抗増大」は考えられない。

 

水温センサの信号電圧のHi側への特性ずれ

ECU内抵抗との分圧電圧が信号電圧になるので,Hi側への特性ずれは,水温センサの抵抗が大きくなるので水温が低い状態である。

燃料は増量補正がかかるので空燃比は小さくなる。よってO2センサ信号電圧が1V付近で一定になる。

水温センサのアース線の接触抵抗増大

 

接触抵抗が水温センサの抵抗に上乗せされて信号電圧となるので,水温センサの信号電圧のHi側への特性ずれとなる。

よってO2センサ信号電圧が1V付近で一定になる。

不適切

 

よって答えは 1