暖機後無負荷アイドリング状態でO2センサ信号電圧の点検を行った結果:平成24年3月実施1級小型問題34
Lジェトロニック方式エンジンの故障診断で,暖機後無負荷アイドリング状態でO2センサ信号電圧の点検を行った結果,約1V付近でー定であった。この場合に考えられる故障原因として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)プレッシャ・レギュレータのダイヤフラムの破れ |
(2)水温センサの信号電圧のHi側への特性ずれ |
(3)フューエル・ポンプのフィルタの詰まり |
(4)エンジンECU内のエア・フロー・メータのアース系統の抵抗増大 |
解く
空燃比が小さくなると,O2センサ信号電圧の点検を行った結果,約1V付近でー定となる。
(1)プレッシャ・レギュレータのダイヤフラムの破れ 燃圧大:燃料多くなる:空燃比小:1V
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(2)水温センサの信号電圧のHi側への特性ずれ 正常な状態よりも低温の情報が入力される 水温補正の燃料増の状態となる。 空燃比A/Fは小さくなる よってO2センサは1V付近を示す
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(3)フューエル・ポンプのフィルタの詰まり 燃料少ない=空燃比大 不適切
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(4)エンジンECU内のエア・フロー・メータのアース系統の抵抗増大 |
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吸入空気量が変化した時には,熱線計量部のブリッジ回路により,吸気温度計測用の抵抗と加熱抵抗(ヒーター)との温度差を常に一定に保つように加熱抵抗への供給電力をフィードバック制御します。その供給電力を電圧に変換し Engine コントロールコンピューターに出力します。 Engine コントロールコンピューターは,あらかじめ与えられたエアフローメーター出力電圧と流量の関係から, Engine 吸入空気量を算出します。 - ホットワイヤー式エアフローメーターのブリッジ回路は上図の構成となっています。例えば吸入吸気量が増えた場合,加熱抵抗が冷やされRHの値が小さくなりRH(R1)×R4<RK(R2)×R3,VM≠VKとなります。制御部はこの状態を検出すると,電源からVBに流れる電流を増加(RHを加熱)してRH(R1)×R4=RK(R2)×R3,VM=VKとなるように制御します。
例えば図の位置に接触抵抗が発生したとするとブリッジ回路に掛かる電圧は接触抵抗と分圧される。
ここで加熱抵抗RHが吸入空気で冷やされたとき,RHを加熱するための電流は,接触抵抗がなかった時よりも多くの電流を流さないとVM=VKとなるように制御できない。
よって出力電圧は大きくなり,空燃比は小さくなる。