29.鉛バッテリに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)バッテリの容量は、放電電流が大きいほど小さくなる。
(2)電解液温度が50℃未満においては、電解液温度が高くなると、容量は減少する。
(3)電解液の比重は、電解液温度が高いと電解液容積が増加するため小さく(低く)なる。
(4)電解液の比重を測定することによって、放電量を知ることができる。
解く
(1)バッテリの容量は、放電電流が大きいほど小さくなる。
容量と放電電流
容量は放電電流が大きいほど小さくなる。これは,放電が開始されると,正極,負極の両極板の活物質は極板表面から硫酸基を吸収して硫酸鉛に変化するが,放電電流が大きいほど化学反応に必要な硫酸基が極板細孔内へ拡散浸透する補給速度が遅れて早く放電終止電圧に到達するためである。

(2)電解液温度が50℃未満においては、電解液温度が高くなると、容量は減少する。
容量と電解液温度
容量はバッテリの電解液温度が高いほど増加し,低いほど減少する。その理由は,温度が上昇すると電解液の拡散が良好となり,極板活物質内部まで浸透が容易となり,内部抵抗が減少するからである。ただし,電解液温度が50℃以上になると,自己放電のためにかえって容量は減少しセパレータ及び極板の損傷を早める。容量と電解液温度の関係は,ほば図のようになる。

(3)電解液の比重は、電解液温度が高いと電解液容積が増加するため小さく(低く)なる。
電解液の比重と温度
電解液の比重はバッテリの状態を知る要素の一つであり,この比重は図のように電解液温度が高いと低くなり,低いと高くなる。これは,温度が高いと電解液容積が増加し,低くなれば減少するためである。したがって,比重を測定した場合は標準温度の20℃に換算しないと正確な比較判断ができない

(4)電解液の比重を測定することによって、放電量を知ることができる。
電解液の比重と放電量
バッテリが放電すると,電解液中の硫酸基は極板の活物質と反応して硫酸鉛と水を生成する。
したがって,電解液の比重は放電量に比例して低下するので,比重を測ることによって放電量を知ることができる。
完全充電時の比重が1.280(20℃)のバッテリについて比重と放電量との関係を示すと,図のようになり放電量(Ah)は次式によって表される。

