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鉛バッテリに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1) 電解液量の過剰は,極板のサルフェーションやセパレータの劣化の原因となる。
(2) 開放型のMF(メンテナンス・フリー)バッテリは,厳しい使用条件下では,補水が必要になる場合がある。
(3) 定電流充電法とは,充電開始から終了まで一定の電流で充電を行う方法で,一般に定格容量の数倍程度の電流で充電する。
(4) 密閉型のMFバッテリを急速充電する場合は,充電しようとするバッテリの容量(Ah)の数値にアンペア(A)を付けた値を最大とした電流で行う。
解く
(1) 電解液量の過剰は,極板のサルフェーションやセパレータの劣化の原因となる。
不適切
◎液量及び比重の調整
バッテリの電解液が不足すると、極板やセパレータが露出して極板のサルフェーション(注参照)やセパレータの劣化が生じるようになる。また、電解液が多過ぎると、液がこほれてボデーや機器を損傷するので、常に適切な液量を保持することが必要である。
バッテリ(制御弁式バッテリを除く)の電解液は、充電終期のガス発生や水分の蒸発によって減少する。
したがって、常に液面の高さが規定の範囲にあることを確認し、不足する場合は、精製水を補充する。
なお、冬期に補水を行った場合には、電解液の凍結を防ぐため、補水後直ちに充電する必要がある。
(2) 開放型のMF(メンテナンス・フリー)バッテリは,厳しい使用条件下では,補水が必要になる場合がある。
適切
バッテリは、構造上、液の補充はかかせないものだが、現在の乗用車及び二輪車には極板に用いられる活物質(注参照)の改良と格子の材質変更により、水素ガスの発生を抑え、液の補充を必要としないMFバッテリ(メンテナンス・フリー・バッテリ)が多く用いられている。
◎MFバッテリ
MFバッテリとは,普通型バッテリより自己放電が少なく,正常な使用条件で使用される限り補水を必要としないバッテリをいう。
基本的な構造は普通型バッテリと同じであるが,主として,極板格子の材質が正極板・負極板共,カルシウム鉛合金を使用していることが主な違いである。
MFバッテリの種類には,開放型と密閉型とがあり,開放型は,格子以外は普通型バッテリとほぼ構造は同じであるが,密閉型のものは,特殊セパレータ,極板とセパレータを潤す程度に注入した電解液を有し,密閉無漏洩(えい)構造で,内部で発生したガスが極板に吸収されるため,原理的には使用中に電解液の減少がなく, 補水が不要である。
(3) 定電流充電法とは,充電開始から終了まで一定の電流で充電を行う方法で,一般に定格容量の数倍程度の電流で充電する。
不適切
◎定電流充電法
定電流充電法とは、充電の開始から終了まで一定の電流で充電を行う方法で、充電が進むに連れてバッテリのセル電圧が上がり、電流が流れにくくなるので、充電電圧を徐々に高くしなければならない。この方法は最も基本的な充電方法であって、一般に定格容量の1/10程度の電流で充電する。
(4) 密閉型のMFバッテリを急速充電する場合は,充電しようとするバッテリの容量(Ah)の数値にアンペア(A)を付けた値を最大とした電流で行う。
不適切
構造上、液の補充はかかせないものだが、現在の乗用車及び二輪車には極板に用いられる活物質(注参照)の改良と格子の材質変更により、水素ガスの発生を抑え、液の補充を必要としないMFバッテリ(メンテナンス・フリー・バッテリ)が多く用いられている。なかでも、二輪車やトランク・ルームなどにバッテリが装着されている車両においては、電解液の漏れを防ぐために、電解液をガラス・マットなどに浸透させると共に、容器を二重構造にするなどして性能・安全性を考慮した制御弁式バッテリが多く用いられている。
(注)活物質とは、電解液と接触して化学反応により電気を蓄えたり放出(放電)したりする物質を言う。
・制御弁式バッテリは、急速充電を絶対に行ってはならない。
よって答えは(2)