〔NO. 27〕
鉛バッテリに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。
(1)電解液は、比重1.320のものが一番凍結しにくく、その氷点は- 60 ℃である。
(2)電解液の比重は、電解液温度が高いと電解液容積が増加するため小さく(低く)なる。
(3)電解液の比重は、電解液温度20 ℃を標準としているので、実測したときの電解液温度が相違する場合は、温度換算をする必要がある。
(4)バッテリの起電力は、一般に電解液の温度が高くなると大きくなり、その値は、電解液温度が 1 ℃上昇すると0. 0002V ~ 0. 0003V程度高く(大きく)なる。
解く
(1)電解液は、比重1.320のものが一番凍結しにくく、その氷点は- 60 ℃である。
◎電解液の凍結温度
電解液の凍結温度は比重によって変化する。図は電解液の凍結温度と比重の関係を示したものであり,比重約1.290のものが一番凍結しにくぐその氷点は一73℃付近であるが,それより高くても低くても,その氷点は高くなる。
完全充電された状態に維持しておけば凍結することはまずないが,放電状態にして放置すると,寒冷地などでは凍結してバッテリを破損することがあるので注意する
必要がある。

不適切
(2)電解液の比重は、電解液温度が高いと電解液容積が増加するため小さく(低く)なる。
◎電解液の比重と温度
電解液の比重はバッテリの状態を知る要素の一つであり,この比重は図のように電解液温度が高いと低くなり,低いと高くなる。これは,温度が高いと電解液容積が増加し,低くなれば減少するためである。したがって,比重を測定した場合は標準温度の20℃に換算しないと正確な比較判断ができないので,次の式によって換算する。

S20=St+0.0007(tー20)
ただし,S20:20℃に換算した比重
t:実測したときの電解液温度℃
St:t℃のときの電解液の比重
0.0007:温度係数(1℃変化ごとの比重)
適切
(3)電解液の比重は、電解液温度20 ℃を標準としているので、実測したときの電解液温度が相違する場合は、温度換算をする必要がある。
比重を測定した場合は標準温度の20℃に換算しないと正確な比較判断ができないので,次の式によって換算する。
S20=St+0.0007(tー20)
ただし,S20:20℃に換算した比重
t:実測したときの電解液温度℃
St:t℃のときの電解液の比重
0.0007:温度係数(1℃変化ごとの比重)
適切
(4)バッテリの起電力は、一般に電解液の温度が高くなると大きくなり、その値は、電解液温度が 1 ℃上昇すると0. 0002V ~ 0. 0003V程度高く(大きく)なる。
◎起電力と電解液温度
起電力は一般に電解液の温度が高くなると大きくなる。その値は電解液温度が1℃上昇すると0.0002~0.0003V程度高くなる。起電力と電解液温
度との関係の一例を図に示す。

適切
よって答えは(1)