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平成23年3月実施1級小型問題11:回生協調制御システムを用いたハイブリッド車に関する記述

図に示す回生協調制御システムを用いたハイブリッド車に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

 

(1)Nレンジ時には,駆動力を遮断する必要があるため,インバータ内のすべてのパワー・トランジスタをOFFにすることで,モータとジェネレータの作動(機能)を強制的に停止させている。

(2)ブレーキ・アクチュエータ内にあるストローク・シュミレータは,ブレーキ・ペダルの踏力に応じたペダル・ストロークと反力を発生させている。

(3)シャット・ダウンの状態では,車軸での駆動力がゼロとなるが,エンジン回転中であればジェネレータが発電しているため,バッテリに充電が行われる。

(4)ブレーキ・アクチュエータ内にある切り替え弁は,システムに異常が発生したときなどに油圧経路の切り替えを行い,最低限の制動力を確保している。

 

 

解く

(1)Nレンジ時には,駆動力を遮断する必要があるため,インバータ内のすべてのパワー・トランジスタをOFFにすることで,モータとジェネレータの作動(機能)を強制的に停止させている。

適切

シャット・ダウン

前輪とモータは:ギヤとチェーンを介して,常時,機械的につながっている方式のため,駆動力の遮断手段として, N レンジのときはインバータのパワー・トランジスタをすべて OFF にして,モータとジェネレータの作動を強制的に停止させている。これをシャット・ダウンといい,車軸での駆動力はゼロになる。この状態では,エンジンが回転していても,ジェネレータは空回りして発電していないため,バッテリに充電は行われない。

 

 

(2)ブレーキ・アクチュエータ内にあるストローク・シュミレータは,ブレーキ・ペダルの踏力に応じたペダル・ストロークと反力を発生させている。

適切

回生協調制御の作動

ブレーキ・ペダルを踏むと,マスタ・シリンダに油圧が発生する。

このマスタ・シリンダ油圧を圧力センサで検出し,ブレーキ ECU が制動力要求値を算出する。

ブレーキ ECU は,算出した制動力要求値のうち,より多くのエネルギを回収できるような回生ブレーキ作動要求値をハイブリッドECU に送り,ハイブリッドECU は,モータを発電機として作動させ,回生制動を行っている。

ブレーキ ECU は,油圧調整部にある増圧,減圧用のリニア・ソレノイド・バルブの開度を制御して,ホイール・シリンダ油圧を調圧し,制動力要求値のうち,回生ブレーキによる制動力の不足分を油圧ブレーキで補っているが,油圧ブレーキと回生ブレーキによる制動力の分担は,車速などにより変化させている。

また,急制動によってタイヤのロックを検出した場合は,回生協調制御を制限し,ABS 制御を行う。

制動時には,マスタ・シリンダとホイール・シリンダ間の油圧経路が切り替え弁により遮断されているため,に示すようにブレーキ・アクチュエータ内にあるストローク・シュミレータが,ブレーキ・ペダルの踏力に応じたペダル・ストロークと反力を発生させている。また,切り替え弁は,システムに異常が発生したときなどに油圧経路の切り替えを行い,最低限の制動力を確保する働きをしている。(28p)

 

(3)シャット・ダウンの状態では,車軸での駆動力がゼロとなるが,エンジン回転中であればジェネレータが発電しているため,バッテリに充電が行われる。

不適切

 

(4)ブレーキ・アクチュエータ内にある切り替え弁は,システムに異常が発生したときなどに油圧経路の切り替えを行い,最低限の制動力を確保している。

適切

 

よって答えは 3