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平成16年3月実施1級小型問題30:タイヤの振動・騒音等に関する記述

30

タイヤの振動・騒音等に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)タイヤにアンバランスがあると,車速の増加に比例した振動強制力が発生し,シェイクやフラッタの発生する要因となる。

(2)タイヤのユニフォミティとは,製造工程中のトレッド・ゴム,カーカス・コード,ベルトなどの部材のすべてを含んだ寸法と剛性の均一性のことをいう。

(3)タイヤのばね定数は前後ばね定数と縦ばね定数に分けられるが,乗り心地に影響するのは主に前後ばね常数である。

(4)バイアス・タイヤとラジアル・タイヤでハーシュネスの騒音を比較すると,バイアス・タイヤの方がエンベロープ特性が悪いため大きくなる。

 

解く

(1)タイヤにアンバランスがあると,車速の増加に比例した振動強制力が発生し,シェイクやフラッタの発生する要因となる。

不適切

バランス

回転する物体に,荷重のアンバランスがあると,回転速度の自乗に比例した遠心力が発生し,振動強制力となる。したがって,図のように車速の増加の自乗に比例した振動強制力が発生し,シェイクやフラッタで生じることになる。このアンバランスは,タイヤ周上や,ホイールの荷重の不均一によって生じるが,タイヤとホイールの組み付け状態によっても影響される。

(2)タイヤのユニフォミティとは,製造工程中のトレッド・ゴム,カーカス・コード,ベルトなどの部材のすべてを含んだ寸法と剛性の均一性のことをいう。

適切

 ユニフォミティ

ユニフォミティは,タイヤ製造工程中のトレッド・ゴム,カーカス・コード,ベルトなどの部材のバラツキによる寸法と剛性の均一性のことで,ラン・アウトとフォース・バリエーションとがあり,振動強制力の原因となる。

 

(3)タイヤのばね定数は前後ばね定数と縦ばね定数に分けられるが,乗り心地に影響するのは主に前後ばね常数である。

不適切

 

ばね定数

ばね定数は,自動車の振動を左右する要因の一つであり,図のように縦ばね定数と,前後ばね定数に分けられる。縦ばね定数は,乗り心地に影響し,タイヤの構造,形状や荷重などの要因によるが,特に,大きな要因は空気圧である。また,前後ばね定数は,駆動系の前後方向の振動に影響する。

(4)バイアス・タイヤとラジアル・タイヤでハーシュネスの騒音を比較すると,バイアス・タイヤの方がエンベロープ特性が悪いため大きくなる。

不適切

 

エンベロープ特性

エンベロープ特性とは,タイヤが路面の凹凸を包み込む性質であり,特に,ハーシュネスに関係がある。

図のようにバイアス・タイヤとラジアル・タイヤのエンベロープ特性では,バイアス・タイヤの方がよい。これは,タイヤの構造によるもので,ラジアル・タイヤは,剛性の高いベルトがエンベロープ特性にマイナスとなる。また,ハーシュネスを測定した図から,ラジアル・タイヤの方が,音圧レベルが高いことが分かる。これは,ラジアル・タイヤの方がエンベロープ特性が悪いために,路面の凹凸(特に,道路継ぎ目などの突起)による振動強制力を吸収する能力が低いためである。

・ロード・ノイズについては,バイアス・タイヤがラジアル・タイヤに比べロード・ノイズ特性が悪いのは,140Hz付近の一次固有振動での振動伝達率が大きいためである。

よって答えは2