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平成20年11月実施検定1級小型問題11:圧縮天然ガス(CNG)自動車の燃料系に関する記述

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圧縮天然ガスCNG)自動車の燃料系に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

 

(1)CNGボンベ側の燃温センサはCNG燃料の温度が異常に高くなったとき,CNG警告灯を点滅させる。

(2)CNGボンベ側の燃圧センサはCNG燃料の圧力が異常に高くなったときのみ,CNG警告灯を点滅させる。

(3)給油口のふたにはフィラ・リッド・スイッチが設けられ,フィラ・リッドが開いているときはスタータ・モータが回せないシステムになっている。

(4)CNGは数種類あるが,自動車用燃料としては,一般的に「13A」が用いられている。

 

解く

(1)CNGボンベ側の燃温センサはCNG燃料の温度が異常に高くなったとき,CNG警告灯を点滅させる。

適切

 燃温センサは, CNG 燃料の温度を検出するもので, CNG ボンベ側とエンジン側にそれぞれ 1 個設けられている。ボンべ側の燃温センサは 5 ウェイ・コネクタに取り付けられ, CNG 燃料の温度が異常に高く(約 100 ℃ 以上)なったとき, CNG 警告灯を点滅させる。一方,エンジン側の燃温センサはフューエル・チューブ部に取り付けられ, CNG 燃料の噴射量の制御用として CNG 燃料の温度を検出している。また,いづれの場合も燃料温度検出方法はサーミスタを用いているのが一般的である。

サーミスタとは温度の高低により電気抵抗が変化する性質のものであり,その変化を電圧値の変化に置き換え,燃温センサとして使用している。図 ( 1 )のように電気の流れは,バッテリ電圧(約 12V )はエンジン ECU 内で 5V の定電圧に変換され,固定抵抗 R1を通り,燃温センサに送られる。すると,定電圧の 5V に対する固定抵抗 R 1と燃温センサの抵抗 Rw との間の分圧値(電圧値)が燃温センサの電圧値として取り出される。

サーミスタの出力特性は図 ( 2 )のように,温度が高くなると電気抵抗は小さくなる(電気が流れやすい)性質がある。つまり, CNG 燃料の温度が高くなると燃温センサの電気抵抗が小さくなり,燃温センサの電圧値は低くなるのである。

(2)CNGボンベ側の燃圧センサはCNG燃料の圧力が異常に高くなったときのみ,CNG警告灯を点滅させる。

不適切

燃圧センサ

燃圧センサは, CNG 燃料の圧力を検出するもので, CNG ボンべ側とエンジン側にそれぞれ 1 個設けられている。ボンべ側の燃圧センサは 5 ウェイ・コネクタに取り付けられ, CNG 燃料が大量に漏えいしたとき, CNG 警告灯を点滅させると共に CNG ボンべ側の燃料遮断弁を OFF (閉)にする。また, CNG 燃料圧力計の点検時にも用いられる。一方,エンジン側の燃圧センサは CNG 燃料の噴射量の制御用として CNG 燃料の圧力を検出している。また,いずれの場合も燃料圧力検出方法は感圧素子式を用いているのが一般的である。感圧素子式とは圧力の高低により,センサの出力電圧が変化するもので,圧力が高くなる程,出力電圧も高くなる。図 に燃圧センサの出力特性を示すが,図 ( 1 )の CNG ボンべ側と図  ( 2 )のエンジン側では,電圧値に対し燃圧の目盛りが大きく異なる。

(3)給油口のふたにはフィラ・リッド・スイッチが設けられ,フィラ・リッドが開いているときはスタータ・モータが回せないシステムになっている。

適切

燃料充てん口

CNG 燃料充てん口は,図 ( 1 )のように充てんノズル挿入部と逆止弁などから構成され,燃料の充てんは充てんノズルがノズル挿入部へ装着されると逆止弁が押され充てん可能となる。また,より安全性を確保するため,給油口のふた(以下,フイラ・リッドという。)には図 ( 2 )に示すようにスイッチが設けられ充てん作業中はスタータ・モータが回せない(スタータ・インタ・ロック機構)システムとなっている。つまり,フイラ・リッド・スイッチが ON (フイラ・リッド開)時にはスタータ・モータが回らないシステムとなっている。なお,図 ( 2 )はフイラ・リッドが閉状態を示している。

(4)CNGは数種類あるが,自動車用燃料としては,一般的に「13A」が用いられている。

適切

CNG の種類(注参照)は数種類あるが自動車用燃料としては,一般的に「 13 A 」が用いられている。その特徴はオクタン価が高く,アンチノッキング性に優れるため,エンジンの高圧縮化が可能となる。

(注) CNG 燃料は現在, 13A 12A 6A , 6B . 5A の 5 種類がある。

 

よって答えは(2