オート・エアコンに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)エバポレータ温度センサはエバポレータ温度を検出しているが,希望設定温度と内気(車室内)温度との差が大きいときには,エバポレータの凍結状態を維持する必要があるため,コンプレッサの駆動制御などに利用される。
(2)エキスパンション・バルブの詰まりは冷えが悪い原因となり,エキスパンション・バルブの感熱筒による開度絞り不良は温度調整不良の原因となる。
(3)ホト・ダイオードを用いた日射センサの回路構成において,プルアップ抵抗(R)(信号線より上流に設定)が設定されている場合,光量が小さいときにはセンサ信号電圧値を小さく,光量が大きくなるに従い信号電圧値が大きくなる電圧特性をもっている。
(4)アスピレータ型の内気(車室内)温度センサは,ブロア・モータの作動には関係なく,室内の空気をセンサに循環させて内気(車室内)温度を検出している。
解く
(1)エバポレータ温度センサはエバポレータ温度を検出しているが,希望設定温度と内気(車室内)温度との差が大きいときには,エバポレータの凍結状態を維持する必要があるため,コンプレッサの駆動制御などに利用される。
不適切
エバポレータ温度センサ
図に示すエバポレータ温度センサの構造は,薄膜樹脂で固められた構造で,オート・エアコン・クーリング・ユニットのエバポレータ温度の検出を行う。センサの役割は,エバポレータの凍結監視で,氷結によるエバポレータ能力の低下防止を図り,氷結の可能性が高い場合には,コンプレッサの駆動停止の判断などに利用されている。
(2)エキスパンション・バルブの詰まりは冷えが悪い原因となり,エキスパンション・バルブの感熱筒による開度絞り不良は温度調整不良の原因となる。
適切
参考
車載故障診断装置に表示されない不具合
車載故障診断装置で表示されない故障の推定原因と不具合状況
不具合の状況 |
不具合の推定原因(注意事項等含む) |
冷えない:冷えが悪い 又は全く冷えない |
コンプレッサ:内部異常・吐出弁の破損・ガスケットの破損・マグネット・クラッチ作動せず, バッテリ電圧低下 ・コイルの断線やショート ・配線関係断線 ・リレー類の不良 ・アース不良, エバポレータ:フロストや空気循環の障害など車内空気の循環不良 ・フィルタの目詰まり ・エキスパンション・バルブの詰まりや開度調整不良及び感熱筒の接触不良やガス漏れ ・サクション・スロットル・バルプ(エバポレータ・プレッシャ・レギュレータ)の作動不良, ブロア・モータ回転不良:スイッチ・レジスタ・プラシの接触・配線などの不良 ・バッテリ電圧低下 ・ブロアの変形やケースとの接触(ロック除く)など, コンデンサ:詰まり ・冷却ファンの作動不良, 配管:低圧側詰まりやつぶれ ・エアの混入 ・冷媒過充てん及び不足, その他:コンプレッサ駆動ベルトの滑り ・外気侵入 ・温度コントロール機能の不良 ・ヒータがON状態 |
冷え過ぎ:温度調整が うまくいかない |
エキスパンション・バルブの感熱筒による開度絞り不良, マグネット・クラッチ切れず, サクション・スロットル・バルプ(エバポレータ・プレッシャ・レギュレータ)の作動不良, 温度コントロール・スイッチ不良, ブロア・モータ回転下がらず(風の強過ぎ) |
音が大きい |
コンプレッサ:プラケット取り付けポルトの緩み ・バルプ関係の不良 ・べアリングの摩耗・損傷, プロア・モータ:取り付け不良 ・ファン内異物のかみ込み,Vベルト:緩み, マグネット・クラッチ:べアリング摩耗・損傷 ・ステータとロータの接触, アイドル・プーリ:取り付け不良 ・べアリングの摩耗・損傷, 配管周り:クランプなどの締め付け不良 ・取り付け不良 ・ボデーとの安全ギャップの不適正, 冷媒通過音:シュー音は室内高温時などコンプレッサ起動直後10秒程度は異音ではない。 ジュルジュル音は冷媒ガス不足時に発生しやすい。 |
寒い |
ヒーター回路入らず 冷房比率が高すぎ(冷房が効きすぎ) |
(3)ホト・ダイオードを用いた日射センサの回路構成において,プルアップ抵抗(R)(信号線より上流に設定)が設定されている場合,光量が小さいときにはセンサ信号電圧値を小さく,光量が大きくなるに従い信号電圧値が大きくなる電圧特性をもっている。
不適切
(4)アスピレータ型の内気(車室内)温度センサは,ブロア・モータの作動には関係なく,室内の空気をセンサに循環させて内気(車室内)温度を検出している。
不適切
よって答えは(2)