オート・エアコンに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1)ホト・ダイオードを用いた日射センサの回路構成で,プルアップ抵抗(R)(信号線より上流に設定)が設定されている場合,センサ信号電圧値は,光量が小さいときには小さく,光量が大きくなるに従い大きくなる特性になる。
(2)日射センサには,光量が小さいときは抵抗値が大きく,光量が大きくなるに従い抵抗値が小さくなる負の光量特性をもつホト・ダイオードが用いられている。一般に,車外や車室内の光量を検出しやすい箇所に日射センサは取り付けられている。
(3)アスピレータ型の内気(車室内)温度センサは,空調エア・ダクトのエア流速でアスピレータ(絞り弁)先端部分に負圧を発生させ,車室内のエアを検知用空気流入口から吸い込み,温度センサに反応させて車室内温度の計測を行っている。
(4)運転開始時に行う補正制御では,冷房モードで室内温度が非常に高いときは,一時的に内気循環(REC)で運転をする。また,冷房モードでエバポレータ温度が高いときは,エバポレータ換気のためブロア・モータの回転を一時的に速くしているものがある。
解く
(1)ホト・ダイオードを用いた日射センサの回路構成で,プルアップ抵抗(R)(信号線より上流に設定)が設定されている場合,センサ信号電圧値は,光量が小さいときには小さく,光量が大きくなるに従い大きくなる特性になる。
不適切
(2)日射センサには,光量が小さいときは抵抗値が大きく,光量が大きくなるに従い抵抗値が小さくなる負の光量特性をもつホト・ダイオードが用いられている。一般に,車外や車室内の光量を検出しやすい箇所に日射センサは取り付けられている。
適切
ホトダイオードは,光量に応じて電流の流れを変化させる素子で,ダイオードの分類に属し,発生光量の電流値を抵抗値⇒電圧値に変換して明るさを検出する。 センサの取付場所は,一般に車外や車室内の光量を検出しやすい箇所に取り付けられている。 抵抗値の変化(光度抵抗特性)は,光量が小さいときは抵抗値が大きく,光量が大きくなるに従い抵抗値が小さくなる負の光量特性をもつホトダイオードが用いられている。 |
(3)アスピレータ型の内気(車室内)温度センサは,空調エア・ダクトのエア流速でアスピレータ(絞り弁)先端部分に負圧を発生させ,車室内のエアを検知用空気流入口から吸い込み,温度センサに反応させて車室内温度の計測を行っている。
適切
(4)運転開始時に行う補正制御では,冷房モードで室内温度が非常に高いときは,一時的に内気循環(REC)で運転をする。また,冷房モードでエバポレータ温度が高いときは,エバポレータ換気のためブロア・モータの回転を一時的に速くしているものがある。
適切
補正制御 |
補正制御には,運転開始時に行う制御と運転中に行う制御とがある。 |
運転開始時 |
冷房モードでエバポレータ温度を検知しエバポレータ温度が高いときは,エバポレータ換気のためブロア・モータの回転を一時的に速くするものがある。
暖房モードで冷却水温度が低く温風が得られないときは,ブロア・モータを停止させ,水温の上昇と共にブロア・モータの回転速度を増加させる。
冷房モードで室内温度が非常に高いときは,一時的に内気循環(REC)で運転をする。
ブロア・モータの回転速度が一定値を超えた決定がされたときは,低速で回転を徐々に上けて決定値にすることで,急激なファン騒音を低減している。
運転開始時,ブロア・モータの回転を徐々に上けることにより,ファン騒音の低減を図っている。 また,OFFへの切り替えは瞬時に行う。 |
運転中 |
日射量が変化したときに,吹き出し温度の補正を行う。例えば,日射量が増した場合,冷房時は,より冷房側へ,暖房時は冷房側に少し基本制御を変化させる。
外気温度が変化したときに吹き出し温度の補正を行う。例えば,外気温が下がった場合,冷房時は暖房側へ,暖房時はより暖房側へ変化させる。
冷房時,エバポレータが凍結温度になった場合,一時的にコンプレッサを停止させてェパポレータの凍結を防止する。
設定温度をMAXCOOL(18℃),MAXHOT(32℃)にセットすると,オートで作動しているときは,センサ値に関係なく,最大冷房,最大暖房を行う。例えば,MAXCOOL(18℃)時は,内気循環,VENT吹き出しブロア・モータ最大回転,エア・ミックス・ダンパ全閉,エアコンONとし,最大冷房とする。また,MAXHOT(32℃)時は,外気導入,HEAT吹き出しプロア・モータ最大回転,エア・ミックス・ダンパ全開,エアコンOFFとし最大暖房とする。 |