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自動車整備士資格試験を解く

平成23年3月実施1級小型問題5:リニア駆動アクチュエータ

リニア駆動アクチュエータに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。


(1)リニアDCブラシレス・モータは,駆動回路のインバータで直流を単相交流に変換して活用するもので,フィールド・コイルの代わりにパーマネント・マグネット(永久磁石)を用いたものが多く使用されている。


(2)リニアDCブラシ・モータには,電圧の絶対値を利用するものと,PWMを利用してデューティ比駆動するものがあり,フィールド・コイルの代わりにパーマネント・マグネットを用いたものが多く使用されている。


(3)駆動方式のうち,PWM制御の方が駆動電圧の絶対値を連続的に可変させる方式と比較して,電力損失が少なく駆動効率が高い。


(4)ステッピング・モータには,ロータにパーマネント・マグネットを用いたもの,ロータにギヤ(ポール)形状のバリアブル・リアクタンスを用いたもの,ギヤ(ポール)形状の可変磁性体ロータとパーマネント・マグネットを使ったハイブリッド式のものが用いられている。

 

解く

(1)リニアDCブラシレス・モータは,駆動回路のインバータで直流を単相交流に変換して活用するもので,フィールド・コイルの代わりにパーマネント・マグネット(永久磁石)を用いたものが多く使用されている。

不適切

リニアDCブラシレス・モータは,CWとCCWの相互方向駆動をもつもので,駆動回路内のインバータにより直流三相交流に変換し,周波数の変化により回転速度制御を行うもので,小規模のアクチュエータとして,電子制御式スロットル装置,ISCVなどに用いられ,車両の運転条件により駆動される。

 

(2)リニアDCブラシ・モータには,電圧の絶対値を利用するものと,PWMを利用してデューティ比駆動するものがあり,フィールド・コイルの代わりにパーマネント・マグネットを用いたものが多く使用されている。 

適切

 リニアDCブラシ・モータには,電圧の絶対値を利用するものと,PWMを利用してデューティ比駆動するものがあり,フィールド・コイルの代わりにパーマネント・マグネットを用いたものが多く使用され,クーリング・ファン,エアコンのコンデンサ・ファンの制御などに用いられている。

 このリニアDCブラシ・モータは,回転速度とトルク制御が容易であるほか,駆動回路の構成で入力電圧の極性を変えることで駆動回転方向((注)参照)を変化させる特性をもっており,高い制御精度が要求される場合はPWM制御を使い,更に駆動位置(回転角度)検出のフィードバック・センサを組み合わせて用いている。

(注)モータの駆動回転方向を表す呼称は,時計回り方向のものをクロック・ワイズ(以下,CWという。),反時計回り方向のものをカウンタ・クロック・ワイ,ズ(以下,CCWという。)と呼んでいる。

 

 

(3)駆動方式のうち,PWM制御の方が駆動電圧の絶対値を連続的に可変させる方式と比較して,電力損失が少なく駆動効率が高い。

適切

 

 アクチュエータの駆動方式としては,アクチュエータの駆動電圧の絶対値を連続的に可変させる方法を用いるものと,パルス・ワイズ・モジュレーション(パルス幅変調:以下,PWMという。)を利用してデューティ比による駆動電圧変化を用いるものがあり,後者のPWM制御は,電力損失が少なく駆動効率の高い利点がある。

 

 

(4)ステッピング・モータには,ロータにパーマネント・マグネットを用いたもの,ロータにギヤ(ポール)形状のバリアブル・リアクタンスを用いたもの,ギヤ(ポール)形状の可変磁性体ロータとパーマネント・マグネットを使ったハイブリッド式のものが用いられている。

適切

ステッピング・モータは,ロータにパーマネント・マグネットを用いたもの,ロータにギヤ(ポール)形状のバリアブル・リアクタンスを用いたもの,ギヤ(ポール)形状の可変磁性体ロータとパーマネント・マグネットを使ったハイブリッド式のものが用いられ,スロットル・バルブ制御などに使用されている。 これらのステッピング・モータは,高い精度の制御を可能にするモータで,パルス・レート(参考:周波数(パルス数/秒)とは少し異なる)に同期して回転し,パルス・レートを変えることで,パルス・レートに応じた回転数及び回転角度の制御を行う。

よって答えは 1