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自動車整備士資格試験を解く

平成20年3月実施1級小型問題27:車両安定制御装置

27

車両安定制御装置に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)ABSは,濡れたアスファルト路面や氷雪路などの滑りやすい路面でブレーキをかけたときに,車輪がロックしないように制御する装置である。

(2)トラクション・コントロールは,エンジン出力制御や駆動輪のブレーキ制御によって,駆動時における駆動輪のスリップを抑える装置である。

(3)ABS及びトラクション・コントロールは,主にブレーキ操作やアクセル操作に伴う制動時及び加速時の車両姿勢の安定性を確保する装置であり,VSCS(ビークル・スタビリティ・コントロール・システム)は主に車両旋回時の方向安定性を確保する装置である。

(4)VSCSは,1輪だけ著しく摩耗したタイヤを使用した場合でも,常に正常に作動する。

 

解く

(1)ABSは,濡れたアスファルト路面や氷雪路などの滑りやすい路面でブレーキをかけたときに,車輪がロックしないように制御する装置である。

適切

(2)トラクション・コントロールは,エンジン出力制御や駆動輪のブレーキ制御によって,駆動時における駆動輪のスリップを抑える装置である。

適切

(3)ABS及びトラクション・コントロールは,主にブレーキ操作やアクセル操作に伴う制動時及び加速時の車両姿勢の安定性を確保する装置であり,VSCS(ビークル・スタビリティ・コントロール・システム)は主に車両旋回時の方向安定性を確保する装置である。

適切

(4)VSCSは,1輪だけ著しく摩耗したタイヤを使用した場合でも,常に正常に作動する。

不適切

点検・整備

 VSCS 装着車の注意事項  

・VSCS が正常に作動しない場合

① 指定以外のサイズ,指定以外の空気圧,異なるメーカー,異なる銘柄,異なるトレッド・パターンのタイヤ装着したとき。

摩耗差の著しいタイヤを混ぜて装着したとき。

③ タイヤ・チェーン装着のとき。

④ 応急用スペア・タイヤを使用したとき。

 

参考

走る(加速),曲がる(旋回),止まる(減速)など車両の運動状態が運動性能の限界付近にあるときは,車両の動きが不安定になり危険である。また,濡れたアスファルト路面や氷雪路など摩擦係数の低い路面を走行しているときや,急ブレーキ及び急ハンドルなどの緊急回避操作を行ったときなどは,車両の運動状態が限界を超えて操縦困難となる。これを防止するために, ABS ,トラクション・コントロールビークル・スタビリティ・コントロール・システム(以下, VSCS という。 )を装着しており,図 に示すように三つの装置を作用させ車両の安定性を確保している。 ABS は,滑りやすい路面などで急ブレーキを掛けても車輪がロックしないようにする役割をし,ラクション・コントロールは.駆動輪のスリップを防止する役割をしている。また, VSCS は,車両の旋回方向の安定性を確保する役割をしている。なお,これら三つの装置は,各運動領域においてブレーキ制御を行うことから図の電子制御部品及びブレーキ油圧経路を共用している。