パラレル・シリーズ・ハイブリッド・システムを用いたハイブリッド車に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)車両検査時において,自動車直進性試験(サイド・スリップ),制動力試験,速度計試験は,いずれも整備モードに切り替え,シフト位置はDレンジで行う。
(2)HVバッテリの電解液は強酸性のため,液漏れ点検などでやむを得ず電解液に触れる場合は.ゴム手袋,保護メガネを着用し,漏れている液を硫酸で中和して,青色リトマス試験紙が赤色に変化しないことを確認後,ウエス等で拭き取る。
(3)出力制限警告灯は.電池温度が高い場合,低い場合及びRレンジ以外での走行中に電池容量が低下した場合に点灯することがあり,点灯中はハイブリッド・システムの出力が制限される。
(4)動力分割機構及びギヤ・トレーンは,プラネタリ・ギヤを利用してエンジン動力を,モータ及び駆動輪とジェネレータに分割しており,サン・ギヤはジェネレータに,プラネタリ・キャリヤはエンジンに,インターナル・ギヤはモータ及び駆動輪にそれぞれ直結又は連結されている。
解く
(1)車両検査時において,自動車直進性試験(サイド・スリップ),制動力試験,速度計試験は,いずれも整備モードに切り替え,シフト位置はDレンジで行う。
不適切
車両検査時の注意事項
検査項目とシフト位置
検査項目 |
シフト位置 |
自動車直進性試験(サイド・スリップ) |
Dレンジ |
制動力試験 |
Nレンジ |
速度計試験 |
Dレンジ |
排出ガス試験(アイドリング) |
Pレンジ |
前照灯試験 |
Pレンジ |
(2)HVバッテリの電解液は強酸アルカリ性のため,液漏れ点検などでやむを得ず電解液に触れる場合は.ゴム手袋,保護メガネを着用し,漏れている液を硫酸飽和ホウ酸水で中和して,青赤色リトマス試験紙が赤青色に変化しないことを確認後,ウエス等で拭き取る。
不適切
(3)出力制限警告灯は.電池温度が高い場合,低い場合及びRレンジ以外での走行中に電池容量が低下した場合に点灯することがあり,点灯中はハイブリッド・システムの出力が制限される。
不適切
表:ハイブリッド車の警告灯と点灯時の状況等
(1)READY(走行可能表示灯) |
イグニション・スイッチをSTARTにすると点灯し,走行可能状態であることを示す。 |
(2)出力制限警告灯 |
電池温度が高い場合,低い場合及びRレンジでの走行中に電池容量が低下した場合に点灯することがある。点灯中はハイブリッド・システムの出力が制限される。 ・点灯中は速度を控えめにして走行する。 |
(3)マスタ・ウォーニング |
(4)~(8)の警告灯と連動して点灯し,ブザーを吹鳴する。 |
(4)チェック・・エンジン・ウォーニング・ランプ |
エンジン制御システム異常時に点灯する。 (イグニション・スイッチON,READYランプ消灯時に点灯する) |
(5)充電警告灯 |
充電系統(コンバータ付きインバータ・アセンプリ)異常時に点灯する。 ・マスタ・ウォーニング及びハイブリッド・システム異常警告灯と共に点灯したときは,ダイアグノーシス・コードを確認する。 |
(6)パワー・ステアリング警告灯 |
パワー・ステアリング制御システム異常時に点灯する。 |
(7)HVバッテリ警告灯 |
HVバッテリ放電時に点灯する。 (長期放置等でHVバッテリ上がりが発生し,点灯した場合は,ハイブリッド・システム・チャージャを接続して充電すれば,そのまま使用可能) |
(8)ハイブリッド・システム異常警告灯 |
モータ,インバータ,HVバッテリ-,ハイブリッドECUなどの異常時に点灯する。 |
(4)動力分割機構及びギヤ・トレーンは,プラネタリ・ギヤを利用してエンジン動力を,モータ及び駆動輪とジェネレータに分割しており,サン・ギヤはジェネレータに,プラネタリ・キャリヤはエンジンに,インターナル・ギヤはモータ及び駆動輪にそれぞれ直結又は連結されている。
適切