自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

平成16年3月実施1級小型問題42:整備工場から排出される産業廃棄物の処理

42

整備工場から排出される産業廃棄物の処理に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)特定フロン(CFC12)を取り扱う事業者は,特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)により,その取扱量の多少にかかわらず,都道府県知事に毎年1回,排出量,移動量の報告が義務付けられている。

(2)特定フロン(CFC12)と代替フロン(HFC134a)は,分子構造がほぼ同じため,回収用ボンベに同時に二つのフロンを混入させてもよい。

(3)SRSエア・バッグには,以前は身体に有害なアジ化ナトリウム・ガス発生剤が使用されていたが,現在は大部分が毒性のない非アジ化ナトリウム・ガス発生剤に切り替わっている。

(4)LLC(ロング・ライフ・クーラント)は,主成分がエチレン・グリコールなので油水分離装置で分離し浄化することができる。

 

解く

(1)特定フロン(CFC12)を取り扱う事業者は,特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)により,その取扱量の多少にかかわらず,都道府県知事に毎年1回,排出量,移動量の報告が義務付けられている。

不適切

特定フロン(CFC12)は,「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)によって,事業場の規模と年間取り扱い量(1t以上)が一定以上の場合,都道府県知事に毎年1回,排出量,移動量の報告が義務付けられている。

 

(2)特定フロン(CFC12)と代替フロン(HFC134a)は,分子構造がほぼ同じため,回収用ボンベに同時に二つのフロンを混入させてもよい。

不適切

適正処理の方法

前項のCFC12と同様にフロン回収機で回収し,破壊する場合,CFC12と同じく以前は(財)自動車リサイクル促進センター等が運営するフロン回収・破壊システムのルートで処理してきたが,「自動車リサイクル法」の施行後(「フロン回収破壊法」はリサイクル法に引き継がれた。)は,指定再資源化機関である(財)自動車リサイクル促進センターが運営するフロン回収・破壊システムのルートで処理する。

なお,CFC12とHFC134aの回収用ポンべは,それぞれ別にして,ーっのボンべに二つのフロンを混入しないようにしなければならない。

 

(3)SRSエア・バッグには,以前は身体に有害なアジ化ナトリウム・ガス発生剤が使用されていたが,現在は大部分が毒性のない非アジ化ナトリウム・ガス発生剤に切り替わっている。

適切

環境への影響

SRSエア・バッグ(以下,エア・バッグという。)は,未作動のまま廃棄処理されると,破砕処理工程で有害なアジ化ナトリウムが出てきたり,金属再生工程で破裂する恐れがある。

アジ化ナトリウムの毒性は,比較的即効性で,一過性の低血圧,不整脈,おう吐,めまい,失神等を起こす。重傷では心室細動,心筋障害等により死亡すると言われている。

なお,'90年後半から毒性のないガス発生剤に順次切り替わっており,'98年時点で,新車搭載エア・バッグの98%以上が非アジ化ナトリウム・ガス発生剤を使用している。

使用済自動車に占めるエア・バッグ装着車の割合は,'98年時点では2%程度であったものが,近年の装着率を考えると,エア・バッグ回収作業の比率は,急激に高まることが予想される。

 

 

(4)LLC(ロング・ライフ・クーラント)は,主成分がエチレン・グリコールなので油水分離装置で分離し浄化することができる。

不適切

なお,廃LLCは,油水分離装置の設備にて対応できると誤解している向きもあるが、LLCに対して,浄化機能はないので注意しなければならない。

 

よって答えは(3)