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自動車整備士資格試験を解く

平成20年3月実施1級小型問題42:使用済み自動車から出る産業廃棄物に関する記述

42

使用済み自動車から出る産業廃棄物に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)SRSエア・バッグが未作動のまま破砕処理されるときに生じるアジ化ナトリウムは,無害である。

(2)バッテリに使用されている金属鉛を粉塵として吸収した場合は,他の重金属と同じく人体に害を及ぼす。

(3)タイヤの原材料は,約90%が石油(ナフサ)であり,発熱量が高い燃料価値を有している。

(4)廃LLCの主成分のエチレン・グリコールは,水質汚濁防止法の排水基準で定められているCOD(化学的酸素要求量),BOD(生物化学的酸素要求量)が排水基準の100倍である。

 

解く

 

(1)SRSエア・バッグが未作動のまま破砕処理されるときに生じるアジ化ナトリウムは,無害である。

不適切

工ア・バッグ

環境への影響

SRS工ア・.バッグ(以下,工ア・バッグという。)は,未作動のまま廃棄処理されると,破砕処理工程で有害なアジ化ナトリウムが出てきたり,金属再生工程で破裂する恐れがある。

アジ化ナトリウムの毒性は,比較的即効性で,一過性の低血圧,不整脈,おう吐,めまい,失神等を起こす。重傷では心室細動,心筋障害等により死亡すると言われている。

なお,'90年後半から毒性のないガス発生剤に順次切り替わっており,'98年時点で,新車搭載ェア・パッグの98%以上が非アジ化ナトリウム・ガス発生剤を使用している。

使用済自動車に占める工ア・バッグ装着車の割合は,'98年時点では2%程度であったものが,近年の装着率を考えると,エア・バッグ回収作業の比率は,急激に高まることが予想される。

 

(2)バッテリに使用されている金属鉛を粉塵として吸収した場合は,他の重金属と同じく人体に害を及ぼす。

適切

7バッテリ

1)環境への影響

バッテリに含まれる鉛及び鉛化合物は,有毒物質として古くから知られている。

金属鉛は,常温では蒸発しないが,粉じんとして吸収したりした場合は.、他の重金風と同じく造血機能を営む骨髄神経を害し,強度の中毒では死亡することがある

また,バッテリ液(希硫酸)も有害物質である。

 

(3)タイヤの原材料は,約90%が石油(ナフサ)であり,発熱量が高い燃料価値を有している。

不適切

タイヤ

環境への影響

価値を有しているが,野積み放置による火災発生等が社会問題となっている。

タイヤの原材料は,約60%が石油(ナフサ)であり,発熱量はC重油と石炭の中間に位置するほど高い燃料廃タイヤは,廃車によるものとタイヤ交換によるものとで,年間おびただしい数が排出されている。

 

 

(4)廃LLCの主成分のエチレン・グリコールは,水質汚濁防止法の排水基準で定められているCOD(化学的酸素要求量),BOD(生物化学的酸素要求量)が排水基準の100倍である。

不適切

冷却水(LLC)

環境への影響

廃LLCの主成分は,ェチレン・グリコールで,有害物質や生活環境項目に関する水質汚濁防止法の排水基準で定められているCOD(化学的酸素要求量),BOD(生物化学的酸素要求量)は,排水基準の1万倍ある。これを河川に流出させると,バクテリアの働きで炭酸ガスと水に分解され,水中の酸素を消費する。そのため,水中の酸素が不足し,魚等が死滅するほか,悪臭を放って自然環境を破壊する。

なお,廃LLCは,水分離装置の設備にて対応できると誤解している向きもあるが,油水分離装置は,LLCに対して,浄化機能はないので注意しなければならない。

 

 

よって答えは2