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平成23年3月実施1級小型問題44:整備事業場等の固定施設における環境保全

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整備事業場等の固定施設における環境保全に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1)ダイオキシン類は,炭素,酸素,水素,塩素等が熱せられるような過程で自然にできてしまう副生成物で,整備工場では,補修部品や用品の包装用フイルム等を焼却する場合に,発生する可能性がある。

(2)整備工場から発生する騒音・振動は,排気音,急発進,急停止時のタイヤ・スリップ音,クラクション,エア・コンプレッサ,スチーム・クリーナ等を発生源とするものが多く,これらの騒音・振動に対する近隣住民への生活環境保護規制がある。

(3)整備工場において,タイヤ・メーカー各社が整備している販売店網による自主回収ルートを利用せずに直接,廃タイヤを収集・運搬業者に処理を委託する場合は,マニフェスト制度による処理を行う。

(4)冷却水のLLCには,エチレン・グリコールが含まれており,そのまま下水に排水することができないため,油水分離槽に排水する必要がある。

 

解く

 

(1)ダイオキシン類は,炭素,酸素,水素,塩素等が熱せられるような過程で自然にできてしまう副生成物で,整備工場では,補修部品や用品の包装用フイルム等を焼却する場合に,発生する可能性がある。

適切

工場焼却炉の焼却灰の処理

平成8年12月から,大気汚染防止法や廃掃法によって,一定規模以上の焼却施設の煙突から排出されるダイオキシン類が規制されている。また,学校に設置されている焼却炉は,原則として使用を取り止め,廃止する等,市町村レベルでの取り組みがなされている。

更に平成11年7月には,「ダイオキシン類対策特別措置法」が成立し,総合的な対策が推進されている。

ダイオキシンは,ポリ塩化ジべンゾパラダイオキシンとポリ塩化ジペンゾフランの総称で多くの種類があるが,ごく微量でも,ガンや胎児に奇形を生じさせるような性質を持っているものが存在する。

ダイオキシンが一般に注目され出したのは,ベトナム戦争時に使用された情れ葉剤に含まれており,多くの奇形児が生まれる原因になったと考えられたためである。その後,ごみ焼却炉の焼却灰の中から検出され,大きな社会問題となった。

ダイオキシン類は,炭素,酸素,水素,塩素等が熱せられるような過程で自然にできてしまう副生成物で,整備工場では,補修部品や用品の包装用フィルム等を焼却する場合に,発生する可能性がある。

整備工場に焼却炉を設置する場合は,「焼却施設の構造基準(廃掃法施行規則)」等の規制に適合したものの設置が望まれる。また,これら以外の焼却炉での自家焼却は中止することが望まれる。

 

(2)整備工場から発生する騒音・振動は,排気音,急発進,急停止時のタイヤ・スリップ音,クラクション,エア・コンプレッサ,スチーム・クリーナ等を発生源とするものが多く,これらの騒音・振動に対する近隣住民への生活環境保護規制がある。

適切

工場騒音,振動に対する適正措置

整備工場から発生する騒音・振動で多いのは,排気音,急発進,急停止時のタイヤ・スリップ音,クラクション,ェア・コンプレッサ,スチーム・クリーナ等を発生源とするものである。これらの騒音・振動に対しては,近隣住民への生活環境保護規制がある。

自分の仕事から発生する音はあまり気にならないが,はかの人たちにとっては迷惑に感じることが多いものである。そのためにも近隣の人への配慮が必要である。

表は,自治体で実旆されている生活環境保護規則の一例である。なお,生活環境保護規制については,全国各自治体や地域等でその対応は異なる場合があるので,確認を要する。

 

 

 

 

(3)整備工場において,タイヤ・メーカー各社が整備している販売店網による自主回収ルートを利用せずに直接,廃タイヤを収集・運搬業者に処理を委託する場合は,マニフェスト制度による処理を行う。

適切

タイヤ販売店での一般廃棄物の廃タイヤ取扱い

 

一般廃棄物の廃タイヤについては、タイヤ販売店が引き取り、適正処理を行います。

また、タイヤ販売店は、店頭で一般消費者の廃タイヤ(一般廃棄物)を引き取る際に適正処理に必要な料金を徴収することが可能です。

この適正処理に必要な料金とは、タイヤ販売店が許可不要で行うことが認められている一般廃棄物収集連搬業に関する費用(連搬・保管・管理費用等)と、タイヤ販売店一般廃棄物処理業者に支払う処理委託費用とで構成されます。当然、廃タイヤを処理するための費用が掛からない場合は、処理費を徴収することはできません。

また、タイヤ販売店が一般消費者から処理費を徴収した廃タイヤについては、一般消費者の事前了解を得ない限り、必す処分受託者に引き渡す必要があります。

例えば、タイヤ販売店ての保管時や連搬受託者による連搬時に有価物(中古タイヤ・台タイヤ等)の選別・売却等を行った場合、結果的にタイヤ販売店は、一般消費者に対して本来は請求する必要がなかった費用(-般廃棄物処理業者への処理委託費)を請求・徴収したことになり、その責任を問われることになります。

なお、無償引取品や買取ったタイヤは、タイヤ販売店の所有物となりますので、有価物の選別/売却等カ新]能です。たたし、中古品の買取り/販売を行う場合は古物商の免許が必要です。

 

また、これらのタイヤを処理する場合は、タイヤ販売店自身の産業廃棄物として適正処理しなければなりません。

 

 

 

法規制<環境基本法

地球温暖化対策の推進に関する法律 ②特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)

③悪臭防止法  ④大気汚染防止法  ⑤騒音防止法  ⑥MSDS(化学物質安全性データシート) ⑦水質汚濁防止法

⑧振動規制法  ⑨廃棄物の処理及び清掃に関する法律  ⑩再生資源の利用の促進に関する法律  ⑪容器包装リサイクル法

 

(4)冷却水のLLCには,エチレン・グリコールが含まれており,そのまま下水に排水することができないため,油水分離槽に排水する必要がある。

不適切

適正処理の方法

廃LLCは,ふた付きの専用タンクに分別管理して産業廃棄物処理業者に処分を委託する。

また,濃縮装置を使用して処理量を削減し,処理業者に処分を委託する方法もある。

なお,LLCは,事業場の規模と年間取り扱い量が一定以上の場合,「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)で排出量,移動量を都道府県知事に年1回報告する義務がある。

 

よって答えは4