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自動車整備士資格試験を解く

平成17年実施検定1級小型問題16:ABS

16

一般的なABS(ABSとは,アンチロック・ブレーキ・システムのことをいう。以下同じ。)に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)電源にIG2(イグニションNo.2電源)を用いるものでは,スタータ位置で一旦電源が切れて,イグニション・スイッチONの位置に戻ると再度供給される。

 

(2)ABSは,車輪速センサの直接情報である車輪速度から演算される疑似車体速度を目標に制御される。

 

(3)ECUが異常を検知するとABS制御を中止し,異常内容にかかわらずイグニション・スイッチOFFまで自動復帰しない。

 

(4)後輪は,ロックし難い車輪速度の方を基準として制御される。

 

解く

(1)電源にIG2(イグニションNo.2電源)を用いるものでは,スタータ位置で一旦電源が切れて,イグニション・スイッチONの位置に戻ると再度供給される。

適切

一過性の異常時

ABS警告灯は,ECUがシステムの異常を検出して点灯するが,正常に戻ると自動的に消灯する場合がある。

ダイアグノーシスコードの6162(IG2の電圧診断)は,正常に戻ると消灯する。

 

(2)ABSは,車輪速センサの直接情報である車輪速度から演算される疑似車体速度を目標に制御される。

不適切

ABS制御

ECUは,各車輪速センサからの信号によって車輪速度を検知し,すべての車輪速度をもとに車体速度を推定する。推定(又は疑似)車体速度をもとに車輪のスリップ率を計算し,目標スリップ率になるように,モジュレタ・ユニットのモジュレタ・バルブとポンプを作動させ,ブレキ液圧を制御する。前輪のブレキ液圧は,左右独立に制御し,後輪はロックしやすい方(車輪速度が低い:ロ・セレクト)を基準にして左右同時に制御している。

 

(3)ECUが異常を検知するとABS制御を中止し,異常内容にかかわらずイグニション・スイッチOFFまで自動復帰しない。

不適切

フェイルセーフ制御は,異常内容により次のように実行され,いすれも警告灯が点灯する。

①システムの異常を検知して,フェイルセーフ・リレー,モジュレータ・バルプ及びポンプ・モータの出力をすべてOFFにする。

②ABS動作中に異常検知した場合,故障箇所以外の作動をそのまま継続し制御終了後に出力をすべてOFFにする。

③メモリしているダイアグノーシス・コードにより,異常コードのときはABSの動作を禁止し,次に正常と判断された時点で,ABS制御へ移行する。

これは,システムに異常がなくなった状態で,車速30km/h以上で,1秒以上走行した場合,解除されてABS制御となる。

④イグニション・スイッチ(IG2)の電圧異常(上昇,下降)で,ABSの動作を禁止した場合は,電圧が正常と判断された場合,ABS制御へ移行する。

 

(4)後輪は,ロックし難い車輪速度の方を基準として制御される。

不適切

 

よって答えは1