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平成16年3月実施1級小型問題13:圧縮天然ガス(CNG)自動車に使用されている天然ガスに関する記述

13

圧縮天然ガス(CNG)自動車に使用されている天然ガスに関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)天然ガスはメタン(CH4)を主成分としたガスで,硫黄分,そのほかの不純物を含まないため,燃焼しても硫黄酸化物やススの発生,炭酸ガスの排出量が石油より少ない。

(2)天然ガスは国内でも産出されるが,大部分は海外から超低温に冷却され,硫黄分などの不純物が除かれた液化天然ガス(LNG)の状態で輸入されている。

(3)天然ガスは空気より軽く,ガス体なので,液体燃料のように地上に滞留せず,上方へ向かって拡散する。

(4)天然ガスは,他の燃料に比べて,燃焼下限界(燃焼することができる空気中の燃料濃度の下限)及び自然発火温度が低いので,取り扱いにくい燃料といえる。

 

解く

(1)天然ガスはメタン(CH4)を主成分としたガスで,硫黄分,そのほかの不純物を含まないため,燃焼しても硫黄酸化物やススの発生,炭酸ガスの排出量が石油より少ない。

(2)天然ガスは国内でも産出されるが,大部分は海外から超低温に冷却され,硫黄分などの不純物が除かれた液化天然ガス(LNG)の状態で輸入されている。

(3)天然ガスは空気より軽く,ガス体なので,液体燃料のように地上に滞留せず,上方へ向かって拡散する。

(4)天然ガスは,他の燃料に比べて,燃焼下限界(燃焼することができる空気中の燃料濃度の下限)及び自然発火温度が低いので,取り扱いにくい燃料といえる。

不適切

 

よって答えは4

 

 

天然ガスの特性

 天然ガスは,油田地帯,ガス田地帯から産出する CH4(メタン)を主成分とする無色透明,ほぼ無臭の高カロリの可燃性ガスである。

 地殻にガス単独で蓄えられているものを構造性ガス(ガス田ガス),原油と共存しているものを油田ガス,地下水に溶解しているものを水溶性ガスという。埋蔵量は石油系燃料をしのぐといわれている。

 天然ガスは国内でも産出されるが,大部分は海外から-162℃以下の超低温に冷却され,硫黄分などの不純物が除かれた液化天然ガスLNG : Liquefied Natural Gas)の状態で輸入される。

天然ガスの特性と他燃料との比較

( 1 ) 自動車用天然ガスの特性

(イ)クリーンなエネルギ

 天然ガスは CH4 を主成分としたガスで,硫黄分,そのほか不純分を含まないため,燃焼しても SOx や,すすの発生が全くなく,地球を温暖化するといわれる CO2 (二酸化炭素)の排出量が石油より約 2 ~ 3 割少ない。

(口)高い利便性

 天然ガスは空気より軽く(対空気比重 0.65 ) ,ガス体なので液体燃料のように地上に滞留せず,上方へ向かって拡散する。燃焼下限界(燃焼することのできる空気中の燃料濃度の下限)が,他の燃料に対して高く(約 4 . 5 % ) ,自然発火温度も高いため,そのほかの燃料と比べ扱い易い燃料といえる。

(ハ)高い安全性

天然ガスは CO や,鉛などの毒性物質を含んでいないため中毒の心配がない。

本来無臭のため,漏えい時の早期感知ができるよう着臭している。

自動車用燃料としての CNG

天然ガスを常温下での取り扱いを容易にするため, LNG をいったん気体に戻したあと,20 MPa又は24.8Mpaに高圧縮し,容積効率を上げたものである。

CNG の種類(注参照)は数種類あるが自動車用燃料としては,一般的に「 13 A 」が用いられている。その特徴はオクタン価が高く,アンチノッキング性に優れるため,エンジンの高圧縮化が可能となる。

(注) CNG 燃料は現在, 13A 12A 6A , 6B . 5A の 5 種類がある。