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平成16年実施検定1級小型問題45:環境への影響物質の記述

45

環境への影響物質の記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)地球面から放出される赤外線の一部は、大気中の温室効果ガスに吸収され,地表を適度な気温に保っている。大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度が高くなると,この温室効果ガスのバランスがくずれ,地表温度が上昇する。

(2)成層圏オゾン層を破壊する原因物質として影響度が一番大きい物質は,カーエアコンに使用されるHFC134aである。

(3)ガソリンや軽油燃料の燃焼によって発生する物質のなかで,窒素酸化物,粒子状物質等は大気汚染の原因になっており,呼吸器障害等の原因となる。

(4)自動車ではブレーキ,クラッチの摩擦材に使われてきたアスベストは,その粉じんにより健康を害することから現在では使われていない。

 

解く

(1)地球面から放出される赤外線の一部は、大気中の温室効果ガスに吸収され,地表を適度な気温に保っている。大気中の二酸化炭素(CO2)の濃度が高くなると,この温室効果ガスのバランスがくずれ,地表温度が上昇する。

(2)成層圏オゾン層を破壊する原因物質として影響度が一番大きい物質は,カーエアコンに使用されるHFC134aである。

(3)ガソリンや軽油燃料の燃焼によって発生する物質のなかで,窒素酸化物,粒子状物質等は大気汚染の原因になっており,呼吸器障害等の原因となる。

(4)自動車ではブレーキ,クラッチの摩擦材に使われてきたアスベストは,その粉じんにより健康を害することから現在では使われていない。

 

よって答えは2

 

 

 

環境保全への取り組み

 

環境問題

環境物質

取り組み内容

地球的問題

オゾン層の破壊

特定フロン(CFC12

使用済み自動車解体時,カー・エアコン修理時のフロン大気放出の抑止(回収,破壊)等

地球的問題

地球温暖化

CO2

燃料消費率の向上,クリーン・エネルギ車開発,エコ・ドライブの励行等

地球的問題

地球温暖化

代替フロンHFC134a)

使用済み自動車解体時,カー・エアコン修理時のフロン大気放出の抑止(回収,破壊)等

局地的問題

廃棄物

産業廃棄物

使用済み自動車

リサイクルの推進,リサイクルしやすい車の開発,廃棄物の量の削減等

局地的問題

大気汚染

排出ガス,焼却炉排煙等

排出ガスの浄化,工場排煙のクリーン化等

局地的問題

水質汚濁

工場排水等

オイル類,エンジン冷却水等の回収処理,工場排水浄化槽の設置等

局地的問題

粉塵

ディーゼル黒煙

アスベスト粉塵等

ディーゼル排出ガスの浄化,アスベスト材の使用撤廃等

局地的問題

騒音・振動

エンジン振動・騒音,排気騒音

タイヤ騒音等

エンジン本体の改良,エンジンルームの遮蔽,マフラの改良,タイヤ構造の改良等

 

環境問題

項目

環境問題

発生状況

地球規模の環境問題

地球温暖化

気象庁温室効果予測検討部会では,今後100年間に世界の平均気温が2℃(低く見て1.5℃,高ければ6℃)上昇する可能性があると指摘している。

 

オゾン層の破壊

カー・エアコンに使用されているCFC12等のフロンが大気放出されることにより,成層圏にあるオゾン層が破壊され,有害な紫外線が増加し,皮膚ガンの増加等が懸念されている。

広域的な環境問題

酸性雨

ph4という強酸性雨が降るヨーロッパ,北アメリカの被害は特にひどく,森林の立ち枯れ,湖沼の生物への影響や,自動車の塗面を侵す等の問題が生じている。

局地的な環境問題

廃棄物公害

産業活動に伴う各種廃棄物や,使用済自動車を廃棄する際,廃棄物に含まれる有害物質等による土壌の汚濁や,水資源の汚濁等が問題になっている。

 

大気汚染

化石燃料の燃焼によって発生する物質の中で,特にNOx,PM(粒子状物質),光化学オキシダント等は,大都市を中心に大気汚染の原因になっており,呼吸器障害等の原因となっている。

 

粉じん公害

アスベストは,強じんで耐久性に優れることから,車ではブレーキ,クラッチの摩擦材に使われてきた。この粉じんを吸い込むと健康を害することから,現在は全廃されている。

 

感覚公害

自動車による騒音は,工ンジン,排気騒音とも格段に低減されてきているが,更なる低減の努力が求められている。また,生産工場からの騒音や臭気についても同様といえる。