自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

平成16年3月実施1級小型問題9改:CAN 通信システムに関する記述

9

CAN 通信システムに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

1)信号形態(アナログ信号)による通信は,あらかじめ装置専用の信号形態が決められ,この組み立て規格に基づいて通信が行われ,異なる装置でも通信ができる。

2)符号形態(デジタル信号)による通信は,規格に従った共通の通信信号と通信装置を利用するため,通信する相手先(ECU)が換わっても,規格に従っていれば,通信の互換性が確保できる。

3)自動車の各ECU間の情報伝達に利用される通信信号では,通信の基本となる符号形態(デジタル信号)は,現在少なく,信号形態(アナログ信号)のものが多く用いられている。

4)CAN通信システムは,産業機器(ロボット制御,船舶制御,列車制御,自動車制御),FA(工場自動化)機器,医療機器など社会全般に幅広く利用され,自動車では,安全性,経済性,環境保全,快適性の向上の通信手段として,制御ネットワーク,故障診断ネットワークなどの利用が進んでいるが,装置の中では,その普及は限定的である。

 

 

解く

1)信号形態(アナログ信号)による通信は,あらかじめ装置専用の信号形態が決められ,この組み立て規格に基づいて通信が行われ,異なる装置でも通信ができる。

2)符号形態(デジタル信号)による通信は,規格に従った共通の通信信号と通信装置を利用するため,通信する相手先(ECU)が換わっても,規格に従っていれば,通信の互換性が確保できる。

適切

3)自動車の各ECU間の情報伝達に利用される通信信号では,通信の基本となる符号形態(デジタル信号)は,現在少なく,信号形態(アナログ信号)のものが多く用いられている。

4)CAN通信システムは,産業機器(ロボット制御,船舶制御,列車制御,自動車制御),FA(工場自動化)機器,医療機器など社会全般に幅広く利用され,自動車では,安全性,経済性,環境保全,快適性の向上の通信手段として,制御ネットワーク,故障診断ネットワークなどの利用が進んでいるが,装置の中では,その普及は限定的である。

 

よって答えは2

 

 

 

通信信号

通信信号は,各ECU間の情報伝達に利用されるもので,通信方法は,図の信号形態(アナログ信号)や図の符号形態(デジタル信号)を用いた通信がある。

信号形態(アナログ信号)による通信は,あらかじめ装置専用の信号形態が決められ,この組み立て規格に基づいて通信が行われ,異なる装置では通信ができない。

符号形態(デジタル信号)による通信は,規格に従った共通の通信信号と通信装置を利用するため,通信する相手先(ECU)が換わっても,規格に従っていれば,通信の互換性が確保できる。

自動車の各ECU間の情報伝達に利用される通信信号では,通信の基本となる信号形態(アナログ信号)は,現在少なく,符号形態(デジタル信号)のものが多く用いられている。

ここでは,ISO(国際標準化機構)の標準化規格に定められ,通信速度,通信容量,互換性などにおいても優れ,近年,新長期自動車排出ガス規制車や安全,環境,快適性などの総合制御に活用されているコントローラ・エリア・ネットワーク(以下,CANという。)について説明する。

 

1)CAN 通信システムの概要:コントローラ・エリア・ネットワーク(Controller ・Area ・Network)

近年,車両に多く搭載された装置には,装置ごとのECUと数多くのセンサ,アクチュエータが存在し,これらの装置で取り扱う通信情報量も肥大化の一途を辿っており,既存の通信方法では,回路を構成する電気配線も膨大なものになる。この問題解決には,通信情報量の増大に対応する車両の総合制御や通信速度の向上が不可欠であり,これを可能とするには,各ECUがもっている制御データ,アクチュエータ・データ,センサ・データの規格化を行い,デジタル信号化して情報の共有化を図ることで各ECU間の通信を可能にするCAN通信システムが有効となる。

CAN通信システムは,産業機器(ロボット制御,船舶制御,列車制御,自動車制御),FA(工場自動化)機器,医療機器など社会全般に幅広く利用され,自動車では,安全性,経済性,環境保全,快適性の向上の通信手段として,制御ネットワーク,故障診断ネットワークなどの利用が進み,装置の中では,図のようにパワー・トレーン(エンジン,AT),トラクション・トレーン(ブレーキ&ABS,ステアリング,オート・クルーズなど)を主体にドア,シート,セキュリティ,マルチメディア,空調,カー・ナビゲーションなど,その普及は車両全体に及んでいる。