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平成19年3月実施1級小型問題14:筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述

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電子制御スロットル装置を用いた層状吸気・超希薄燃焼の筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

 

(1)吸入空気量を一定にして燃焼方式を切り替えた場合,発生するトルクに差は生じず,スムーズに切り替えられる。

(2)スロットルECUは,スロットル・バルブの開度が最適になるように,エンジンECUを介してスロットル・モータを駆動する。

(3)低負荷運転領域では,成層燃焼を行うため空気過剰状態でも燃焼が行え,ポンプ損失が低減されるため,ジーゼル・エンジン並みの熱効率が可能となる。

(4)アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系統になっているので,一系統に異常が発生しても,正常時と同じ走行が可能になる。

 

解く

(1)吸入空気量を一定にして燃焼方式を切り替えた場合,発生するトルクに差は生じず,スムーズに切り替えられる

不適切

電子制御式スロットル装置

筒内噴射式ガソリン・エンジンでは,エンジン負荷に応じて燃焼方式を切り替えている。そのため,同一吸入空気量で燃焼方式を切り替えると,発生トルクに差が生じてスムーズな切り替えができない。また,従来のアクセル・ペダル連動式のスロットル・バルブでは,アクセル開度とバルブ開度の関係が固定されているため,燃焼方式切り替え時には,図のように大容量のパイバス回路が必要となる。

そこで,多くの筒内噴射式ガソリン・エンジンでは,アクセル・ペダルの踏み込み量に応じて,適切な工ンジン・トルクを得られるように,図のような電子制御式スロットル装置を採用している。

これは,アクセル・ペダルの動きをセンサで検出し,その出力をベースにエンジン・コントロール・ユニット(以下,エンジンECUという。)がスロットル・コントロール・ユニット(以下,スロットルECUという。)を介してモータを駆動し,スロットル・バルプを最適な開度となるように制御するもので,工ンジン負荷に応じた各燃焼方式で必要とされる空気量を,運転者に違和感を与えることなく供給するようになっている。

また,万一の故障時にも対応できるように,アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系にすると共に,異常を検出したときには,退避走行が可能となる程度に吸人空気の流量を制御している。

(2)スロットルECUは,スロットル・バルブの開度が最適になるように,エンジンECUを介してスロットル・モータを駆動する。

不適切

エンジン・コントロール・ユニット(以下,エンジンECUという。)がスロットル・コントロール・ユニット(以下,スロットルECUという。)を介してモータを駆動し,スロットル・バルプを最適な開度となるように制御する

 

(3)低負荷運転領域では,成層燃焼を行うため空気過剰状態でも燃焼が行え,ポンプ損失が低減されるため,ジーゼル・エンジン並みの熱効率が可能となる。

適切

筒内噴射式ガソリン・エンジンにおける燃焼

筒内噴射式ガソリン・エンジンでは,低負荷運転領域の場合,成層燃焼を行うため,着火可能な混合気の層を,スパーク・プラグ付近に作り出し,それ以外の部分には空気が充てんされており,燃焼室全体でみると,超希薄な空燃比でも,安定した燃焼を行うことができる。このことが筒内噴射式エンジンの大きな目的の一つである。

これにより,空気過剰状態でも燃焼が可能となるので,低負荷域でも吸入空気量をあまり絞らない状態で運転が可能となる。したがって,ポンプ損失が低減されるため,ジーゼル・エンジン並の熱効率が可能となる。

低負荷時(成層燃焼)

低負荷時には,成層燃焼を行うために,圧縮行程後期の高庄雰囲気下で,高圧スワール・インジェクタより燃料を噴射する。噴射された燃料は,コンパクトな球状噴霧を形成し,シリンダ内の気流制御との相乗効果で,シリンダ内に拡散することなくスパーク・プラグ近傍に導かれ,成層燃焼(空燃比.25~55程度)を行う。

 

 

(4)アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系統になっているので,一系統に異常が発生しても,正常時と同じ走行が可能になる。

不適切

万一の故障時にも対応できるように,アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系にすると共に,異常を検出したときには,退避走行が可能となる程度に吸人空気の流量を制御している。

 

よって答えは3