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電子制御スロットル装置を用いた筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)成層燃焼中は,圧縮行程後半の極めて短い時間内に燃料を噴射する必要があり,アイドル時の開弁時間は一般的なインテーク・ポート噴射式エンジンより短い。
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(2)低負荷運転領域では,均質燃焼を行うため空気過剰状態でも燃焼が行え,ポンプ損失が低減されるためジーゼル・エンジン並みの熱効率が可能となる。
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(3)スロットルECUは,スロットル・バルブの開度が最適になるように,エンジンECUを介してスロットル・モータを駆動する。
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(4)アクセル及びスロットルの各ポジション・センサ信号系統は,それぞれ二重系になっているので,一系統に異常が発生しても正常時と同じ走行が可能である。 |
解く
(1)成層燃焼中は,圧縮行程後半の極めて短い時間内に燃料を噴射する必要があり,アイドル時の開弁時間は一般的なインテーク・ポート噴射式エンジンより短い。 適切 |
成層燃焼中は圧縮行程後半の極めて短い時間内に燃料を噴射する必要があり,最も噴射時間が短いアイドル時の開弁時間は, 0.4ms 程度である。これは,インテーク・ポート噴射式エンジンのインジェクタの1/5程度の時間であり,応答性を格段に上げる必要がある。そこで,次のような改良等を行い,インジェクタから噴射される燃料噴射量の最少から最多までの幅の拡大と高速応答性を両立させている。 |
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(2)低負荷運転領域では,均質燃焼を行うため空気過剰状態でも燃焼が行え,ポンプ損失が低減されるためジーゼル・エンジン並みの熱効率が可能となる。 不適切 |
低負荷時には,成層燃焼を行うために,圧縮行程後期の高圧雰囲気下で,高圧スワール・インジェクタより燃料を噴射する。噴射された燃料は,コンパクトな球状噴霧を形成し,シリンダ内の気流制御との相乗効果で,図 のようにシリンダ内に拡散することなくスパーク・プラグ近傍に導かれ,成層燃焼(空燃比: 25 ~ 55 程度)を行う。 |
(3)スロットルECUは,スロットル・バルブの開度が最適になるように,エンジンECUを介してスロットル・モータを駆動する。 不適切 |
多くの筒内噴射式ガソリン・エンジンでは,アクセル・ペダルの踏み込み量に応じて,適切なエンジン・トルクを得られるように,図 のような電子制御式スロットル装置を採用している。 これは,アクセル・ペダルの動きをセンサで検出し,その出力をべースにエンジン・エレクトロニック・コントロール・ユニット(以下,エンジン ECU という。)がスロットル・エレクトロニック・コントロール・ユニット(以下,スロットル ECU という。 ) を介してモータを駆動し,スロットル・バルブを最適な開度となるように制御するもので,エンジン負荷に応じた各燃焼方式で必要とされる空気量を,運転者に違和感を与えることなく供給するようになっている。 |
(4)アクセル及びスロットルの各ポジション・センサ信号系統は,それぞれ二重系になっているので,一系統に異常が発生しても正常時と同じ走行が可能である。
不適切
万一の故障時にも対応できるように,アクセル及びスロットルの各センサ信号は二重系にすると共に,異常を検出したときには,退避走行が可能となる程度に吸入空気の流量を制御している。
よって答えは(1)