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自動車整備士資格試験を解く

平成19年3月実施1級小型問題4:O2センサに関する記述

4

O2センサに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(1)O2センサに使用されているジルコニア素子は,一定以上の高温になったとき,大気側と排気ガス側の酸素濃度差により起電力が発生する性質がある。

(2)O2センサの起電力は,排気ガス中の酸素濃度が高い場合は大きく,低い場合は小さくなる。

(3)エンジンの高負荷時には,燃料の増量補正が働いて空燃比が小さくなり,O2センサの起電力は小さくなる。

(4)ヒ一タ付O2センサのヒータは,O2センサを活性化させるために低温時の排気ガス温度を上昇させる。

 

解く

 

(1)O2センサに使用されているジルコニア素子は,一定以上の高温になったとき,大気側と排気ガス側の酸素濃度差により起電力が発生する性質がある。

適切

(2)O2センサの起電力は,排気ガス中の酸素濃度が高い場合は大きく,低い場合は小さくなる。

不適切

(3)エンジンの高負荷時には,燃料の増量補正が働いて空燃比が小さくなり,O2センサの起電力は小さくなる。

不適切

(4)ヒ一タ付O2センサのヒータは,O2センサを活性化させるために低温時の排気ガス温度を上昇させる。

不適切

ジルコニア素子

 

よって答えは1

 

O2センサ

図に示すO2センサは,排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出するもので,この酸素濃度を検出することで空燃比(A/F)が理論空燃比に対し,小さい(濃い)か,大きい(薄い)かを判断する。

O2センサは,円筒状のジルコニア素子の内外面に白金をコーティングしてあり,内側は大気と,外側は排気ガス接触できるようになっている。なお,ジルコニア素子は,活性化領域(例:360℃)を超えたとき,大気側と排気ガス側の酸素濃度差により,起電力を発生させる性質がある。

信号電圧を作る回路構成は,図に示すもので,エンジン運転中に排出される排気ガス中の酸素濃度の変化に応じて発生する起電力の信号電圧が作られ,入力回路を介してマイコンに入力される。

マイコンは,リアル・タイムで燃料噴射量を制御する必要から,O2センサからの入力信号電圧により,燃焼状態を判断すると共に,エンジン制御などに関係するそのほかのセンサから,エンジンの負荷条件を検出して必要に応じ燃料噴射量を補正する。

信号形態

信号電圧は,図のように空燃比が小さい(濃い)状態で燃焼したときの排気ガスが白金に触れると,白金の触媒作用により残存する低濃度のO2は排気ガス中のCOやHCと反応し,ジルコニア素子表面のO2はほとんどなくなるため,O2センサ内外面の酸素濃度差が非常に大きくなり起電力(High)が生じる。逆に,空燃比が大きい(薄い)状態で燃焼したときの排気ガスは,高濃度のO2と低濃度のCOがあるため,COとO2が反応しても余分なO2が残存し,酸素濃度差は小さくほとんど起電力(Low)が生じない。

マイコンによる信号電圧の検出は,マイコン閾値と信号電圧の比較により行われるが,図のように閾値をアップ・エッジしたときに信号電圧を検出する。