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平成20年3月実施1級小型問題13:CNG(圧縮天然ガス)及びCNG自動車に関する記述

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CNG圧縮天然ガス)及びCNG自動車に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

 

(1)CNGは,COや鉛などの毒性物質を含んでいないため,中毒の心配がない。

(2)CNGは,ガソリンなどの液体燃料に比べ車両搭載効率が高いが,燃焼時に水蒸気の発生が多く,排気系の防錆対応を強化する必要がある。

(3)CNG燃料圧力計は,CNGレギュレータの上流にある高圧の燃料タンクの圧力を表示する。

(4)燃料系の配管(パイプ)及び継ぎ手を外すときは,パイプ内のガス圧力が高圧のためガス容器元弁を全閉にして,配管の燃料がなくなるまでエンジンを運転してから行う。

 

解く

 

(1)CNGは,COや鉛などの毒性物質を含んでいないため,中毒の心配がない。

適切

天然ガスの特性と他燃料との比較

( 1 ) 自動車用天然ガスの特性

(イ)クリーンなエネルギ

 天然ガスは CH4 を主成分としたガスで,硫黄分,そのほか不純分を含まないため,燃焼しても SOx や,すすの発生が全くなく,地球を温暖化するといわれる CO2 (二酸化炭素)の排出量が石油より約 2 ~ 3 割少ない。

(口)高い利便性

 天然ガスは空気より軽く(対空気比重 0.65 ) ,ガス体なので液体燃料のように地上に滞留せず,上方へ向かって拡散する。燃焼下限界(燃焼することのできる空気中の燃料濃度の下限)が,他の燃料に対して高く(約 4 . 5 % ) ,自然発火温度も高いため,そのほかの燃料と比べ扱い易い燃料といえる。

(ハ)高い安全性

天然ガスは CO や,鉛などの毒性物質を含んでいないため中毒の心配がない。

本来無臭のため,漏えい時の早期感知ができるよう着臭している。

 

 

(2)CNGは,ガソリンなどの液体燃料に比べ車両搭載効率が高いが,燃焼時に水蒸気の発生が多く,排気系の防錆対応を強化する必要がある。

不適切

自動車用燃料としての CNG

天然ガスを常温下での取り扱いを容易にするため, LNG をいったん気体に戻したあと,約 20 MPa に高圧縮し,容積効率を上げたものである。

CNG の種類(注参照)は数種類あるが自動車用燃料としては,一般的に「 13 A 」が用いられている。その特徴はオクタン価が高く,アンチノッキング性に優れるため,エンジンの高圧縮化が可能となる。

(注) CNG 燃料は現在, 13A 12A 6A , 6B . 5A の 5 種類がある。

 

 CNG は燃焼時の CO 2 発生量が石油系燃料に比べて少なく, SOx やすすの発生はなく,ランニング・コストは,ガソリン> LPG > 軽油CNG の順であり,一番安価である。

しかし,気体であるためガソリンなどの液体燃料に比べ,車両搭載効率が低くなる。また,燃焼時に水蒸気の発生が多く,排気系の防錆対応を強化しなければならないという短所もある。

 

(3)CNG燃料圧力計は,CNGレギュレータの上流にある高圧の燃料タンクの圧力を表示する。

適切

 

(4)燃料系の配管(パイプ)及び継ぎ手を外すときは,パイプ内のガス圧力が高圧のためガス容器元弁を全閉にして,配管の燃料がなくなるまでエンジンを運転してから行う。

適切

一般的な取り扱い上の注意

(イ)作業場での注意

・火気のない風通しの良い場所で作業を行うこと。

・建物内で作業をする場合は,十分な換気をすると共に,天然ガスは空気より軽いため,                                             必要に応じてガス漏れ警報機などの設備を建物内の上部へ設けること。

・電気配線などを外すときは,火花が飛ばないようにすると共に,天井付近に天然ガス  の滞留がないことを確認すること。

・ガス漏れを発見したときは,着火源となり得る照明,換気扇などのスイッチを操作しない(させない)こと。

・高圧ガスが残留したまま燃料配管のパィプ及び継ぎ手を緩めることは,絶対にしないこと。

・燃料系統の配管(パイプ)及び継ぎ手を外すときは,パイプ内のガス圧力が高圧のため,必ず, 2 本のガス容器元弁(マニュアル・ロック・ダウン・バルブ)を全閉にして,配管内の燃料が無くなるまでエンジンを運転すること。通常はアイドリング運転で約 2 ~ 5 分で,配管内の燃料が無くなり,エンジンが停止する。

 

(口)走行中の注意

( a ) ガス漏れと気づいたとき,又は CNG 警告灯が点減したとき

・ガスの臭気,その他異常を認めたときは直ちに走行を停止し,エンジンを停止させること。 (キー・スイッチを OFF にすることにより,ガス・ボンべの主止弁が全閉となる)

・ガス漏れの場合は,発煙筒は引火する恐れがあるので絶対に使用しないこと。

CNG 警告灯が点滅すると,エンジンの再始動が不可となる。

( b )事故発生時

・衝突,追突,横転や転覆などの事故の場合は,直ちにエンジンを停止し,キー・スイッチを OFF にすること。なお,エンスト時(キー・スイッチ ON )もガス・ボンべの主止弁は全閉となる。

・燃料が漏れているようであれば,火気厳禁を周囲へ知らせること。

 

よって答えは2