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自動車整備士資格試験を解く

平成15年実施1級小型問題:圧縮天然ガス(CNG)自動車に関する記述

圧縮天然ガス(CNG)自動車に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)自動車に用いる天然ガスは,メタンを主成分としたガスであり,空気より軽い。また,他の燃料より燃焼下限界と自然発火の温度が高く,一酸化炭素や鉛などの毒性物質を含んでいない。
(2)自動車用燃料のCNGは,オクタン価が高くアンチノック性に優れており圧縮比を高くすることが可能となるが,液体燃料に比べ車両搭載効率が低く,燃焼時に水蒸気の発生が多く排気系の防錆対応を強化する必要がある。
(3)CNG自動車の燃料系統は、CNG燃料を充てんしたボンベ,燃料遮断弁,CNGレギュレータ(減圧弁)及びインジェクタ(ミキサ)などから構成されており,また,エンジン本体の基本構成は一般的なガソリン・エンジンと同じである。
(4)燃料系統の配管(パイプ)及び継ぎ手を外すときは,パイプ内のガス圧力が高圧のため,ガス容器元弁を全閉にし,速やかに行うこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


解く

(1)自動車に用いる天然ガスは,メタンを主成分としたガスであり,空気より軽い。また,他の燃料より燃焼下限界と自然発火の温度が高く,一酸化炭素や鉛などの毒性物質を含んでいない。

適切

天然ガスの特性と他燃料との比較

自動車用天然ガスの特性

(イ)クリーンなエネルギ

天然ガスはCH4を主成分としたガスで,硫黄分,そのほか不純分を含まないため,燃焼してもSOxや,すすの発生が全くなく,地球を温暖化するといわれるCO2(二酸化炭素)の排出量が石より約23割少な

(口)高い利便性

天然ガスは空気より軽く対空気比重0.65),ガス体なので液体燃料のように地上に滞留せず,上方へ向かって拡散する。

燃焼下限界(燃焼することのできる空気中の燃料濃度の下限)が,他の燃料に対して高く(約4.5%),自然発火温度も高いため,そのほかの燃料と比べ扱い易い燃料といえる。

(ハ)高い安全性

天然ガスはCOや,鉛などの毒性物質を含んでいないため中毒の心配がない。

本来無臭のため,漏えい時の早期感知ができるよう着臭している。

 

(2)自動車用燃料のCNGは,オクタン価が高くアンチノック性に優れており圧縮比を高くすることが可能となるが,液体燃料に比べ車両搭載効率が低く,燃焼時に水蒸気の発生が多く排気系の防錆対応を強化する必要がある。
適切

自動車用燃料としてのCNG

天然ガスを常温下での取り扱いを容易にするため,LNGをいったん気体に戻したあと,約20MPaに高圧縮し,容積効率を上げたものである。

CNGの種類(住参照)は数種類あるが自動車用燃料としては,一般的に「13A」が用いられている。その特徴はオクタン価が高く,アンチノッキング性に優れるため,エンジンの高圧縮化が可能となる。

CNGは燃焼時のCO2発生量が石系燃料に比べて少なく,SOxやすすの発生はなく,ランニング・コストは,ガソリン>LPG>軽油CNGの順であり,一番安価である。

しかし,気体であるためガソリンなどの液体燃料に比べ,.車両搭載効率が低くなる。また,燃焼時に水蒸気の発生が多く,排気系の防錆対応を強化しなけれならないという短所もある。

 

(3)CNG自動車の燃料系統は、CNG燃料を充てんしたボンベ,燃料遮断弁,CNGレギュレータ(減圧弁)及びインジェクタ(ミキサ)などから構成されており,また,エンジン本体の基本構成は一般的なガソリン・エンジンと同じである。
適切

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(4)燃料系統の配管(パイプ)及び継ぎ手を外すときは,パイプ内のガス圧力が高圧のため,ガス容器元弁を全閉にし,速やかに行うこと。
不適切

・高圧ガスが残留したまま燃料配管のパイプ及び継ぎ手を緩めることは,絶対にしないこと。

 ・燃料系統の配管(パイプ)及び継ぎ手を外すときは,パイプ内のガス圧力が高圧のため,必ず,2本のガス容器元弁(マニュアル・ロック・ダウン・,宮ルブ)を全閉にして,配管内の燃料が無くなるまでエンジンを運転すること。通常はアイドリング運転で約2~5分で,配管内の燃料が無くなり,エンジンが停止する。