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自動車整備士資格試験を解く

平成15年実施1級小型問題検定:電子制御式4速ATに関する記述

電子制御式4速ATに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)Rレンジでは,減速比が大きいため,動力伝達容量を高める必要があることから,Dレンジよりライン・プレッシャを高くしている。

(2)AT・ECUは,変速時のショックを低減させるため,エンジン駆動力に見合うよう通常時よりライン・プレッシャを高くしている。

(3)車速は,AT内部のアウトプット・シャフトに取り付けられているギヤの回転速度などから検出している。

(4)AT・ECUによるライン・プレッシャの制御は,スロットル・ポジション・センサ,車速センサ,インヒビタ・スイッチ,油温センサの信号によって行っている。

 

解く

(1)Rレンジでは,減速比が大きいため,動力伝達容量を高める必要があることから,Dレンジよりライン・プレッシャを高くしている。

適切

通常時

ECUがエンジンの負荷をスロットル・ポジション・センサの信号より判断し,スロットル開度をもとにライン・プレッシャ特性を設定している。また,図のようにアクセル開度が増すに従ってライン・プレッシャは高くなりクラッチやバンドの締結力を強めている。なお,Rレンジでは,減速比が大きいため動力伝達容量を高めるためにD,2,1レンジよりライン・プレッシャを高めている。

 

(2)AT・ECUは,変速時のショックを低減させるため,エンジン駆動力に見合うよう通常時よりライン・プレッシャを高くしている。

不適切

変速時

変速時のショックを低減させるために,図のように,変速時のエンジン駆動力に見合ったライン・プレッシャ特性を設定し,変速状態に応じて一時的に最適ライン・プレッシャ特性を選択している。

(3)車速は,AT内部のアウトプット・シャフトに取り付けられているギヤの回転速度などから検出している。

適切

周波数信号センサ

ATに使用されている周波数信号センサには,磁気素子や光学素子の半導体を用いたセンサが用いられ,インプット・シャフトやアウトプット・シャフトなどの回転数,回転角度,速度及びタイミングの検出に利用されている。

(4)AT・ECUによるライン・プレッシャの制御は,スロットル・ポジション・センサ,車速センサ,インヒビタ・スイッチ,油温センサの信号によって行っている。

適切

ライン・プレッシャ制御

ECUには,走行状態に応じた最適なライン・プレッシャ特性を数種類記憶させてある。

ECUは,走行状態に合うライン・プレッシャ特性となるように図左のシステム図の各センサからの入力信号に基づき,ECUがライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブのON・OFFの割合を決めてライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブに駆動信号を送りライン・プレッシャ又は,スロットル・プレッシャを制御している。また,図右はECUに記憶させてあるライン・プレッシャの特性の一例である。

よって答えは2