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令和4年3月実施1級小型問題22:AT・ECUの制御に関する記述

前進4段のロックアップ機構付き電子制御式ATに用いられるAT・ECUの制御に関する記述として,適切なものは次のうちどれか。

 

(l)AT・ECUは,1レンジから2レンジへのシフト時に2レンジ信号が入力されず無信号となる場合,1レンジ信号を人力信号とみなすが,実際の変速は,マニュアル・バルブとの関係から21となる。

 

(2)AT・ECUは.スロットル・ポジション・センサ,車速センサ,シフト・ポジション・センサ,油温センサ等からの入力信号に基づき,走行状態に合うライン・プレッシャ特性となるようにライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブのON・OFFの割合を算出・制御しており,ON時間の割合が多いほどライン・プレッシャは上昇する。

 

3)AT・ECUは,アクセル開度が増すに従ってライン・プレッシャを高くすることで,クラッチやバンドの締結力を強めている。D,2,1レンジでは,Rレンジより車速域が高いため動力伝達容量も高める必要があり,Rレンジよりライン・プレッシャを高めている。

 

4)AT・ECUは,スロットル・ポジション・センサに異常が発生した場合,アイドル接点とフル接点の両方がOFFのときはライン・プレッシャを最小油圧に,アイドル接点がOFFでフル接点がONのときはライン・プレッシャを最大油圧に制御する。

 

 

解く

 

(l)AT・ECUは,1レンジから2レンジへのシフト時に2レンジ信号が入力されず無信号となる場合,1レンジ信号を人力信号とみなすが,実際の変速は,マニュアル・バルブとの関係から21となる。

 

 

フェイルセーフ項目

内容

車速センサ

車速センサは,車速センサ1と車速センサ2の2系統から入力している。そのどちらか一系統に異常が発生しても,走行が可能である。また,走行中に2系統とも,異常が発生した場合は,D,2レンジでは3速固定,1レンジでは2速固定とし走行できる。

ス口ットル・ポジション・センサ

スロットル・ポジション・センサに異常が発生すると,スロットル・バルブ・スイッチのアイドル接点とフル接点のON・OFFにより表のようにスロットル開度を3段階で検知し,走行できるよう制御している。変速は1一4速(オーバドラブ)まで可能だが,変速点は高くなる。また,アイドリング時以外はライン・プレッシャが最高圧となるので,変速ショックも大きくなる。

 

シフト・ポジション・センサ

シフト・ポジション・センサの出力は,ATの油圧回路がどのレンジを選択しているかを,ECUに知らせる役目であるが,同時に別のレンジ信号が入ったり,信号が欠落したりすると,ECUは,変速信号をどう出してよいか分からなくなるので,そのとき異常を検知すると共に,次の取り決めで変速を行うようにしている。

・複数信号の入力時

複数の信号がECUに入力した場合は,電気的には,D>2>1の優先順の入力信号となり,4速(オーバドライブ)への変速を禁止する。

ECUは表のように制御する。

・無信号時

ECUにセレクト位置信号が入力されない場合,直前の信号を入力信号とみなし,走行できるよう制御する。例えば,2レンジ信号が入力しなかった場合は,Dレンジから2レンジにシフトしたときは,Dレンジ信号を入力とする。また,1レンジから2レンジにシフトしたときは,1レンジ信号を入力信号とする。

実際の変速はマニュアル・バルブとの関係から表のようになる。

シフト・ソレノイド・バルブA,B

走行中にシフト・ソレノイド・バルブA,Bのどちらか一方に異常が発生すると,ECUは,もう一方のソレノイド・バルブの出力を止め,3速状態で走行できるよう制御する。この制御は,Dレンジと2レンジで3速固定だが,1レンジでは2速固定となる。また,シフト・ソレノイド・バルブA,B両方に異常が発生した場合でも同様である。

ライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブ

ライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブに異常が発生すると,ECUは,ソレノイド・パルブをOFFにするため,ライン・プレッシャは最大に制御される。したがって,1-4速(オーバドラブ)まで変速するが,セレクト・ショック(NからD,NからR)及び変速ショック共に大きなる。

口ックアップ・ソレノイド・バルブ

ロックアップ・ソレノイド・バルブに異常が発生すると,ECUは,ソレノイド・バルブをOFFにするため,ロックアップを解除(禁止)する。

オーバラン・クラッチ・ソレノイド・バルブ

オーバラン・クラッチ・ソレノイド・バルブに異常が発生すると,ECUは,ソレノイド・バルブをOFFにするため,オーバラン・クラッチを締結して,減速時に,常にエンジン・ブレーキが効くようになる。(ただし,D12は除く)なお,Dレンジ4速域になると(オーバドラブ・スイッチON時),ECUは,ライン・プレッシャを高くして,4速(オーバドライブ)にしている。

フェイルセーフ項目以外

内容

油温センサ

(a)断線時

断線すると,抵抗は無限大(∞Ω)となり,ECUには,極低温の信号が入力することになる。したがって,極低温時の制御に基づいてライン・プレッシャは常時最大となり,セレクト・ショック,変速ショック共に大きく,4速(オーバドラブ)への変速は禁止となる。

(b)短絡時

短絡の場合は,抵抗がOΩとなるので,断線時とは逆に極高温の信号が入力されることになる。したがって,高温時は特別な制御はしていないので,通常の走行では影響は出ない。ただし,低温時の制御はできなくなる。

 

適切

 

(2)AT・ECUは.スロットル・ポジション・センサ,車速センサ,シフト・ポジション・センサ,油温センサ等からの入力信号に基づき,走行状態に合うライン・プレッシャ特性となるようにライン・プレッシャ・ソレノイド・バルブのON・OFFの割合を算出・制御しており,ON時間の割合が多いほどライン・プレッシャは上昇する。

 

不適切

不適切

 

3)AT・ECUは,アクセル開度が増すに従ってライン・プレッシャを高くすることで,クラッチやバンドの締結力を強めている。D,2,1レンジでは,Rレンジより車速域が高いため動力伝達容量も高める必要があり,Rレンジよりライン・プレッシャを高めている。

 

Rレンジでは,減速比が大きいため動力伝達容量を高めるためにD,21レンジよりライン・プレッシャを高めている。

 

不適切

 

4)AT・ECUは,スロットル・ポジション・センサに異常が発生した場合,アイドル接点とフル接点の両方がOFFのときはライン・プレッシャを油圧に,アイドル接点がOFFでフル接点がONのときはライン・プレッシャを油圧に制御する。

不適切

 

よって答えは 1