自動車整備士試験勉強 始めました~(^^♪

自動車整備士資格試験を解く

平成14年実施1級小型問題:電子制御式AT

電子制御式AT(ATとは,オートマティック・トランスミッションのことをいう。以下同じ。)に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。


(1) Dレンジでは,車速センサとスロットル・ポジション・センサからの信号により,変速特性に従い最適なギヤ位置に制御される。
(2) AT・ECUは,ライン・プレッシャを制御することにより,変速時のショックを軽減している。
(3) 車速は,非駆動輪の車速センサからの信号により判定している。
(4) シフト・ソレノイド・バルブに異常が発生した場合に,シフト・レバーによって,ギヤ段固定による走行が可能である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解く
(1) Dレンジでは,車速センサとスロットル・ポジション・センサからの信号により,変速特性に従い最適なギヤ位置に制御される。
適切
変速制御は,走行状態に応じて,図上のように各センサからの入力信号に基づき,ECUがそのときの走行状態を認識し,ECU内に記憶された図下に示す変速点特性図に従ってシフト・ソレノイド・バルブA,Bへ信号を送り,シフト・バルブA,BをON・OFFさせ油路を切り替えている。

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(2) AT・ECUは,ライン・プレッシャを制御することにより,変速時のショックを軽減している。
適切

変速時のショックを低減させるために,図のように,変速時のエンジン駆動力に見合ったライン・プレッシャ特性を設定し,変速状態に応じて一時的に最適ライン・プレッシャ特性を選択している。

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(3) 車速は,非駆動輪の車速センサからの信号により判定している。
不適切
駆動輪


(4) シフト・ソレノイド・バルブに異常が発生した場合に,シフト・レバーによって,ギヤ段固定による走行が可能である。
適切
シフト・ソレノイド・バルブA,B
走行中にシフト・ソレノイド・バルブA,Bのどちらか一方に異常が発生すると,ECUは,もう一方のソレノイド・バルブの出力を止め,3速状態で走行できるよう制御する。この制御は,Dレンジと2レンジでは3速固定だが,1レンジでは2速固定となる。また,シフト・ソレノイド・バルブA,B両方に異常が発生した場合でも同様である。