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平成19年11月実施検定1級小型問題15:圧縮天然ガス(CNG)自動車に関する記述

15

圧縮天然ガスCNG)自動車に関する記述として,不通切なものは次のうちどれか。

 

(1)CNGレギュレータは,CNGボンベから高圧(約20MPa)で送られてきたCNGを適正噴射圧力まで減圧するものである。

(2)CNGレギュレータに設けられている安全弁は,高圧側の圧力が異常に高くなると開き,燃料をCNGボンベに戻し,エンジン部品の保護を図っている。

(3)CNGは燃焼時のCO2発生量が石油系燃料に比べて少なく,SOxの発生はない。

(4)燃料遮断弁は,燃料が極めて高圧であるため,安全性を考慮し弁構造は2段制御式が用いられている。

 

解く

 

(1)CNGレギュレータは,CNGボンベから高圧(約20MPa)で送られてきたCNGを適正噴射圧力まで減圧するものである。

適切

CNGレギュレータ

CNGレギュレータは,図のようなもので,CNGボンべから高圧(約20MPa)で送られてきたCNGを適正噴射圧へ調整減圧するものである。主な構造は一次側レギュレータ室(高圧室)と二次側レギュレータ室に分かれ,それぞれの室に減圧用のレギュレータ・バルブ(圧力調整弁)が設けられている。図は2段減圧式CNGレギュレータを示しており,一次側レギュレータで約1.5MPaまで減圧し,二次側レギュレータで約0.7MPaへ減圧させている。つまり,燃料は一次側から入り,二次側で適正噴射圧力に減圧されCNGインジェクタへ送られる。また,レギュレータ本体には燃料の温度を安定化させるため,エンジン冷却水が循環できる通路が設けられている。安全弁は高圧側の圧力が異常に高くなると開き,燃料を大気中に放出し,エンジン部品の保護を図っている。



 

(2)CNGレギュレータに設けられている安全弁は,高圧側の圧力が異常に高くなると開き,燃料をCNGボンベに戻し,エンジン部品の保護を図っている。

不適切

安全弁は高圧側の圧力が異常に高くなると開き,燃料を大気中に放出し,エンジン部品の保護を図っている。

 

(3)CNGは燃焼時のCO2発生量が石油系燃料に比べて少なく,SOxの発生はない。

適切

自動車用天然ガスの特性

(イ)クリーンなエネルギ

 天然ガスは CH4 を主成分としたガスで,硫黄分,そのほか不純分を含まないため,燃焼しても SOx や,すすの発生が全くなく,地球を温暖化するといわれる CO2 (二酸化炭素)の排出量が石油より約 2 ~ 3 割少ない。

(口)高い利便性

 天然ガスは空気より軽く(対空気比重 0.65 ) ,ガス体なので液体燃料のように地上に滞留せず,上方へ向かって拡散する。燃焼下限界(燃焼することのできる空気中の燃料濃度の下限)が,他の燃料に対して高く(約 4 . 5 % ) ,自然発火温度も高いため,そのほかの燃料と比べ扱い易い燃料といえる。

(ハ)高い安全性

天然ガスは CO や,鉛などの毒性物質を含んでいないため中毒の心配がない。

本来無臭のため,漏えい時の早期感知ができるよう着臭している。

 

(4)燃料遮断弁は,燃料が極めて高圧であるため,安全性を考慮し弁構造は2段制御式が用いられている。

適切

燃料遮断弁

エンジンへの燃料供給装置及び安全装置として,運転状況に応じて,図 のようにソレノイド・バルブを ON , OFF させて,エンジンへの燃料供給を行ったり,止めたりする弁である。燃料は極めて高圧であるため,安全性を考慮し弁構造は 2 段制御式が用いられている。

 エンジン停止時は,図 ( 1 )のようにソレノイド・バルブを OFF して燃料を遮断する。

 遮断弁の作動は,図 ( 2 )のようにソレノイド ON 直後はプランジャにより,パイロット・バルブのみ引き上げ,開口面積の小さい部分から燃料が出口側へ流れ出る。

次に出口側の圧力が上昇した後,図 ( 3 )のようにメイン・バルブが開き全開状態となる。

よって答えは2