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令和6年10月実施2級ガソリン問題4:エンジンの性能

4

エンジンの性能に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

 

(1)機械損失は、ピストン、ピストン・リング、各べアリングなどの摩擦損失と、ウォータ・ポンプ、オイル・ポンプ、オルタネータなどの補機駆動の損失からなっている。

(2)熱効率のうち図示熱効率とは、理論サイクルにおいて仕事に変えることのできる熱量と、供給する熱量との割合をいう。

(3)一般にガソリン・エンジンの体積効率は0.8程度で、体積効率と充填効率は、平地ではほとんど同じであるが、高山など気圧の低い場所では差が生じる。

(4)実際にエンジンのクランクシャフトから得られる動力を正味仕事率又は軸出力という。

 

 

解く

 

(1)機械損失は、ピストン、ピストン・リング、各べアリングなどの摩擦損失と、ウォータ・ポンプ、オイル・ポンプ、オルタネータなどの補機駆動の損失からなっている。

適切

エンジンの諸損失

燃科の燃焼により発生した発熱量が、軸出力として有効仕事に変わるまでには、次のような諸損失がある。

(1)熱損失

熱損失とは、燃焼ガスの熱量が冷却水や冷却空気などによって失われることをいい、燃焼室壁を通して冷却水へ失われる冷却損失、排気ガスにもち去られる排気損失、ふく射熱として周囲に放散されるふく射損失からなっている。

(2)機械損失

機械損失は、ピストン、ピストン・リング、各べアリングなどの摩擦損失と、ウォータ・ポンプ、オイル・ポンプ、オルタネータなど補機駆動の損失からなっている。機械損失は、冷却水の温度、潤滑油の粘度のほかに回転速度の影響か大きい。

(3)ポンプ損失(ポンピング・ロス)

ポンプ損失とは、燃焼ガスの排出及び混合気を吸人するための動力損失をいう。

 

(2)熱効率のうち図示熱効率とは、理論サイクルにおいて仕事に変えることのできる熱量と、供給する熱量との割合をいう。

不適切

性能

熱効率

熱機関において、仕事に変化した熱量と供給した燃料の熱量との割合を、その熱機関の熱効率という。

熱効率には、その求め方によって次のような種類がある。

(1)理論熱効率

理論熱効率とは、理論サイクルにおいて仕事に変えることのできる熱量と、供給する熱量との割合をいう。

 

(2)図示熱効率

図示熱効率とは、実際のエンジンにおいて、シリンダ内の作動ガスがピストンに与えた仕事を熱量に換算したものと、供給した熱量との割合をいう。

作動ガスかピストンに与えた仕事量を図示仕事といい、その動力を図示仕事率という。

図示仕事は、指圧線図から求めることができるが、燃焼によって発生した熱が冷却水やエンジン本体へ逃げる冷却損失、吸入・排気によって生じるポンプ損失(ポンピング・ロス)などにより、理論仕事より小さくなる。したがって、図示熱効率は理論熱効率より常に小さくなる

(3)正味熱効率

一般的に用いられる内燃機関の熱効率のことを正味熱効率といい、正味仕事率から算出した仕事を熱量に換算したものと、動力を得るために使った燃料の総熱いとの割合である。なお、正味仕事率から算出した仕事は、図示仕事から運動部分の摩擦、ウォータ・ポンプ、オルタネータなどの補機装置を動かすのに必要な仕事を差し引いたものである。

実際にエンジンのクランクシャフトから得られる動力を正味仕事率又は軸出力という

正味熱効率を式で表すと次のようになる

(3)一般にガソリン・エンジンの体積効率は0.8程度で、体積効率と充填効率は、平地ではほとんど同じであるが、高山など気圧の低い場所では差が生じる。

適切

体積効率と充填効率は、平地ではほとんど同じであるが、高山など気圧の低い場所では差を生じる。ガソリン・エンジンの体積効率は、一般に0.8ぐらいである。

エンジンの出力は、サイクルごとに吸入する混合気の量に比例するので、限られた行程容積でより大きな出力を得るには、吸気系統を改良して体積効率を高めたり、過給機を用いて充填効率を高める必要がある。

 

(4)実際にエンジンのクランクシャフトから得られる動力を正味仕事率又は軸出力という。

適切

 

よって答えは2