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ピストン・リングに起こる異常現象のうち、フラッタ現象に関する次の文章の(イ)と(ロ)に当てはまるものとして、下の組み合わせのうち、適切なものはどれか。
フラッタ現象とは、ピストン・リングがリング溝に密着せずに浮き上がる現象をいい、ピストン・リング幅が(イ)ほど、ピストン・リングの拡張力が(ロ)ほど起こりやすい。
(イ) (ロ)
(1) 薄い 小さい
(2) 厚い 小さい
(3) 薄い 大きい
(4) 厚い 大きい
解く
よって答えは(2)
フラッタ現象
フラッタ現象とは,ピストン・リングがリング溝と密着せずにバタバタと浮き上がる現象をいい,ピストン・リング,ピストン及びシリンダ壁面との気密が損なわれ,ピストン・リングの上下面に作用する圧縮圧力によるカよりピストン・リングの慣性力が上回ると発生する。コンプレッション・リングやシリンダ壁面が摩耗した場合に起こりやすく,この現象は,ピストン・リングの拡張力が小さいほど,ピストン・リング幅が厚いほど,また,ピストン速度が速いほど起こりやすい。
したがって,この現象が起きた場合には,ピストン・リングの機能が損なわれ,ガス漏れによるエンジン出力の低下,オイル消費量の増大,リング溝やリング上下面の異常摩耗などが促進される。
なお,正常な場合のコンプレッション・リングは,リング固有の拡張力とリング内周面に働く燃焼ガス圧力によって,シリンダ壁面に強く押し付けられている。