21
サスペンションのスプリング(ばね)に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。
(1) エア・スプリングのばね定数は,荷重が大きくなるとレベリング・バルブの作用により小さくなる。
(2) エア・スプリングは,金属ばねと比較して,荷重の増減に応じてばね定数が自動的に変化するため,固有振動数をほぼ一定に保つことができる。
(3) 軽荷重のときの金属ばねは,最大積載荷重のときに比べて固有振動数が大きくなる。
(4) 金属ばねは,最大積載荷重に耐えるように設計されているため,車両が軽荷重のときはばねが硬すぎるので乗り心地が悪い。
解く
(1) エア・スプリングのばね定数は,荷重が大きくなるとレベリング・バルブの作用により小さくなる。
不適切
(2) エア・スプリングは,金属ばねと比較して,荷重の増減に応じてばね定数が自動的に変化するため,固有振動数をほぼ一定に保つことができる。
適切
(3) 軽荷重のときの金属ばねは,最大積載荷重のときに比べて固有振動数が大きくなる。
適切
(4) 金属ばねは,最大積載荷重に耐えるように設計されているため,車両が軽荷重のときはばねが硬すぎるので乗り心地が悪い。
適切
乗り心地
乗り心地の良否を定める要素は主観的なものも含め多種多様で、これらを量的に表すことは困難であるが、その主な要素として数値的に取り扱うことができるものが振動である。
乗り心地は、ボデーの固有振動数に左右されるが、ボデーのの上下方向の固有振動数は荷重とスプリングのばね定数どの関係で決まり、このボデーの固有振動数がある程度大きくなると不快を感じる。
図は、金属ばねとエア・スプリングについて、荷重の変動に対してのばね定数及びボデーの上下方向の固有振動数の変化を比較したものである。、金属ばねの場合、ばね定数が一定であり、スプリングは最大積載荷重に耐えるように設計されているため、車両が軽荷重のときはばねが硬すぎて固有振動数が大きくなり、結果、乗り心地が悪くなってしまう。しかし、エア・スプリングでは荷重が小さくなれば、ばねも柔らかくなるため、固有振動数は大きくならず、軽荷重のときでも乗り心地がよい。
よって答えは(1)