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筒内噴射式ガソリン・エンジンに関する記述として,適切なものは次のうちどれか。
(1)高圧フューエル・ポンプは,フューエル・タンク内の燃料を直接吸い上げ3~10MPa程度に昇圧させる。 |
(2)プランジャ・ポンプの入口及び出口には,リード・バルブが取り付けられており,燃料の吸入・吐出を制御している。 |
(3)スワラを設けたインジェクタは,噴霧燃料を扇状に広げる働きをしている。 |
(4)スリット・ノズルを設けたインジェクタは,噴霧燃料に強い旋回流を与える働きをしている。 |
解く
(1)高圧フューエル・ポンプは,フューエル・タンク内の燃料を直接吸い上げ3~10MPa程度に昇圧させる。 不適切 |
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燃料装置は,図 のようになっており,通常のガソリン・エンジンと同様に,燃料は 0.3MPa 程度の低圧フューエル・ポンプ(電動ポンプ)により,フューエル・タンクから高圧フューエル・ポンプに供給される。 高圧フューエル・ポンプでは, 3 ~ 10MPa 程度に昇圧後,高圧プレッシャ・レギュレータで調圧して,フューエル・レールに供給すると共に,余剰燃料はフューエル・タンクに戻している。 また,始動時はエンジン回転速度が低く,高圧フューエル・ポンプが十分な流量・圧力を発生できないため,フューエル・プレッシャ・センサからの情報をもとに補正を行ったり,コールド・スタート・バルブを使用するなどの制御により,始動性を良くしている。 |
(2)プランジャ・ポンプの入口及び出口には,リード・バルブが取り付けられており,燃料の吸入・吐出を制御している。
適切
プランジャ・ポンプの作動
プランジャ・ポンプの作動は,ポンプ駆動用カム(カムシャフト上に取り付け)により,カムシャフトの回転運動をプランジャの往復運動に変えてポンプ作用を行っている。ポンプの入口及び出口には,それぞれ逆方向にリード・.バルブが,図のように取り付けられており,燃料の吸入・吐出を制御している。
(3)スワラを設けたインジェクタは,噴霧燃料を扇状に広げる働きをしている。
不適切
インジェクタに,図に示すようなスワラ(噴射燃料に強い旋回流を与える)や,図に示すようなスリット・ノズル(噴霧燃料を扇状に広げる)を内蔵することにより,大気圧雰囲気下(吸気行程噴射時)では,均質燃焼に適すように広く分散した噴霧,高圧雰囲気下(圧縮行程噴射時)では,層状燃焼に適した噴霧という二つの噴霧パターンで噴射している。
(4)スリット・ノズルを設けたインジェクタは,噴霧燃料に強い旋回流を与える働きをしている。
不適切
よって答えは(2)